— 第12回 JKS 全国きものファンの集い in 福岡 3日間の旅レポート —
こんにちは、KIMONOしゃなりです。
11月11日(火)〜13日(木)の3日間、
お客様とご一緒に 第12回 JKS 全国きものファンの集い in 福岡 に参加してまいりました。
きものを通じて出会い、
きものをまとって旅をする。
そして、旅を通してまた絆が深まる——。
今回の旅は「きものの縁」がいくつも重なり、
まるで一本の帯が美しく織り上がっていくような3日間でした。
初めての方同士でも、すぐに打ち解けて、
移動中の会話さえ楽しい思い出に変わっていく。
そんな“あたたかさ”に包まれた旅です。
ここでは、その3日間を振り返りながら、
写真を添えて当日の空気感が伝わるように綴っていきます。
11月11日(火)
宇都宮から福岡へ。“きもの旅”の幕開け
初日は移動がメイン。
新幹線、電車、モノレール、飛行機と、
まさに“乗り物フルリレー”の一日でした。
でも、皆さま本当に楽しそうで、
「旅って、移動からワクワクするよね」
「こんなにしゃべることあったかしら(笑)」
と、車内でもずっと笑い声が絶えません。

ホテルに到着、そして相撲観戦へ
福岡空港に着くと、
今回の宿泊先 ANAクラウンプラザホテル福岡 へ。
チェックイン後は少し休んで、
この日のメインとなる 大相撲観戦 へ向かいました。
● お客様に教えていただいた力士情報で観戦が楽しい!

今回ご一緒いただいたお客様に、
相撲にとても詳しい方がいらっしゃり、
「この力士はこういうタイプで…」
「この取り組みは注目です!」
と教えていただいたことで、
観戦の深みが何倍にも広がりました。土俵に響く足音、会場のどよめき。
これはテレビでは味わえない臨場感!
そして意外だったのが、
きもので観戦している方が本当に多かったこと。
きものが似合う土地柄であることを、
改めて感じるひとときでした。
夜は「濱田屋」で博多名物・水たき
夕食は、博多の名店「濱田屋」さんへ。
透き通ったスープは、一口で心まで温まります。

明日からよく歩く予定なので、
この日は早めにホテルに戻り、体力を温存しました。
11月12日(水)
2万歩の大満喫デー
— 神社巡り、カフェ、活き造り、求評会、きものパーティーまで!
朝9時、ホテルを出発。
秋晴れの中、歩いてのんびり博多散策へ。
この日はなんと 2万歩 を記録!
「こんなに歩いたの久しぶり〜!」
「でも全然苦にならないね!」
と、皆さん本当に元気いっぱいでした。
住吉神社へ
最初に訪れたのは 住吉神社。
ここは全国2,000社ある住吉神社の中でも最古とされ、
海の神・航海の神として知られるほか、
相撲・武術の神さま としても深く信仰されています。
そのため境内には立派な 土俵 があり、
なんとこの日は 若手力士が稽古している場面に遭遇!
昨日の相撲観戦で盛り上がったこともあり、
「こんな偶然ある?」
「近くで見ると迫力がすごいね」
と皆さん大興奮。
旅先で偶然こうしたシーンに出会えるのは、
本当に贅沢な体験です。

櫛田神社へ

続いて訪れたのは、博多祇園山笠で有名な 櫛田神社。
町の守り神として愛されており、
静かで荘厳な雰囲気が心地よい神社です。
展示されている山笠の迫力に、皆さま目が釘付けでした。
中洲の街を歩いて「REC COFFEE」へ

博多の川沿いを歩きながら中洲へ。
途中で立ち寄ったのは、
福岡発の人気コーヒー店 REC COFFEE。
香り高い一杯に、
「歩いた後のコーヒーってなんて美味しいの」
「全国にファンがいる理由がわかる〜」
と、ひと休みしながら会話も弾みました。

お昼は「一承」のイカの活き造り

博多で絶大な人気を誇る「一承」さんで昼食。
透明な身、コリッコリの食感。
まさに“生きている”美味しさに、
「今まで食べてきたイカと全然違う!」
と皆さん大感動でした。

博多織 求評会へ

午後は今回の旅でもとりわけ貴重な体験となる
博多織の求評会特別見学へ。
通常一般公開は 11月14〜16日 のため、
この日は特別に会場に入れていただきました。
会場は「勅賜承天禅寺(ちょくし じょうてんぜんじ)」
このお寺は、鎌倉時代に創建された格式ある禅寺で、
“勅賜”とは天皇から寺号を賜ったという意味。
博多織の始祖・満田弥三右衛門が
宋(中国)から技術を持ち帰った歴史にも深く関わる場所です。
静謐な空気が漂う境内を歩くと、
「ここで博多織の技術が育まれたのか…」
と胸が熱くなるものがありました。

博多織の深掘り
700年以上続く“守り継がれた技”
博多織の特徴は、なんといっても
「緯糸よりも経糸が強い」 こと。
そのため、締めた時にしっかりと腰に吸いつくような感触があり、
締め心地が良く、緩みにくいのが大きな魅力です。
求評会では、
伝統的な献上柄から、現代的な配色の作品まで、
職人の皆さまの技術と感性が結集した帯がズラリ。

「同じ献上柄でも、織り手によってこんなに違うんだ」
「糸の光沢だけでこんな表情になるのね」
と、皆さま夢中で見て回りました。
普段では味わえない“特別な時間”でした。
【博多帯】初心者におすすめ!伝統×使いやすさを備えた万能帯
メインイベント:きものパーティーへ
午後4時、いよいよ旅のメイン。
第12回 JKSきものファンの集いのきものパーティー が
ホテルオークラ福岡にて開催されました。
会場に入ると、視界いっぱいに華やかなきもの、きもの、きもの。
色とりどりの装いに、まるで絵巻の中に飛び込んだよう。
● ステージイベントも盛りだくさん

・あんみつ姫のショー

・プロマジシャン・MARUCOさんのマジック

・豪華景品の抽選会
そしてなんと、
当店のお客様がおひとり、
「帯留め付き帯締め」をご当選!
当たった瞬間、周りも大喜びで、
会場が一段とあたたかい空気に包まれました。

歩いて気づく“きものの実感”:足袋と草履
今回の旅で私自身、久しぶりに
長時間きもので歩く という経験をしました。
そこで再確認したのが、
足袋と草履の大切さ。
・足にしっかり合った足袋は疲れにくい
・草履の鼻緒の柔らかさで歩き心地が全く変わる
・台の高さも長時間歩くと違いが出る
「きものは足元から」
という言葉の意味を、改めて実感しました。
11月13日(木)
大宰府天満宮&博多織工房「森 博多織」見学
最終日は、観光バスで
北海道・野村呉服店さんご一行とご一緒させていただき、
大宰府天満宮 へ向かいました。
ところがこの日は渋滞がひどく、
ゆっくり参拝できず少し残念…。
ですが、私はどうしても手に入れたかった
娘の高校受験のお守り を無事に購入できました。
混雑の中でも、ほんの短い参拝時間でも、
その一つが叶ったことで心がすーっと軽くなりました。

博多織「森」へ

続いて向かったのは、
博多織の老舗工房 森 博多織 さん。
ここでは、実際の織機や作業工程を
間近で見られる貴重な機会。
職人さんが糸を扱う手つきは美しく、
熟練の技に皆さん釘付けでした。
その後は直売所でお買い物タイム。
帯だけでなく小物も豊富で、
皆さま時間いっぱい楽しんでいらっしゃいました。
福岡空港へ。宇都宮へ帰路につく
名残惜しさを抱えながら福岡空港へ。
たった3日間とは思えないほど濃く、
胸がいっぱいになる旅でした。
旅を通して感じた“きものがつなぐ力”
今回、あらためて感じたこと。
それは、
きものは人と人をつなぐ力を持っている
ということでした。
初めて会った人とも自然に会話が生まれ、
共通の話題で笑い合える。
きものを着るというだけで、
心の距離が驚くほど近くなる。
そして、
「きものを着て歩くこと」
「きものを着て旅をすること」
「きものを着る仲間がいること」
これらがどれほど豊かな時間を運んでくれるか、
今回の旅が改めて教えてくれました。
最後に
ご一緒いただいた皆さま、
本当にありがとうございました。
一緒に歩き、一緒に笑い、
一緒に感動してくれる人がいることが、
何よりの幸せだと感じています。
また来年、またその次も、
皆さまと“きもの旅”をご一緒できれば嬉しいです。
これからもきものを通じて
「楽しい」「嬉しい」「心地よい」を
皆さまと共有できるお店でありたいと思います。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
KIMONOしゃなり 寺﨑
