着物の寸法・着て、見て確かめるには?
こんにちは!
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。
小満(しょうまん)です。
早いもので、暦では初夏。
太陽の光がキラキラと、美しい時期ですね。
日ごとに上がる気温に合わせ、万物が成長します。
虫も、木も、そして私も。
年齢を重ねると、暦とは関係なしにボディラインが成長します。
困りますね。
もう、どうしたら良いのでしょう?(笑)
とは言え、二十歳の頃とは違う魅力を引き出せるのも、その人次第。
人間的スキルが試されるのが、まさに「今」です。
着物が本格的に「似合い出す」「サマになる」のは、ある程度大人になってからだと思います。
その人らしさ、女性らしさだけに留まらない。
今や着物は、日本文化を背負うものというイメージがあります。
着物の知識が着姿を左右し、
人間的な豊かさが着こなしに現れる。
洋装より一段、深みを感じる。
それが着物です。
その一歩として外せないのが今回のテーマ
目次
着物の寸法
どんなに良い着物でも、寸法が合わなければその良さを発揮できません。
それどころか、魅力が半減することさえあります。
「こわい、こわい」
でも目をそらさないで。
親類から譲り受ける、アンティーク着物について。
実際に羽織って確かめられる環境に、スポットを当てました。
- 着物の知識がゼロでもOK。
- 「尺(しゃく)」「寸(すん)」など、専門用語なし!
ポイントを2点に絞り、タイトにまとめました。
どうぞ参考になさってください。
※実際に羽織って確認するやり方です。
ネット購入には向きません。
- 着物の寸法はこの2点で決まる
・身幅(みはば)
・身丈(みたけ) - それぞれの確かめ方
- 寸法が合わないと、どうなるの?
- あくまでも応急処置ですよ?
- 忘れちゃいけない、長襦袢
ではまいります。
1.着物の寸法はこの2点で決まる
身幅(みはば)とは?
身幅とは洋服でも聞く言葉です。
着物の身幅=体に巻き付ける全体の幅を指します。
身幅が足りないと、体に十分な生地がまわりません。
逆に身幅があり過ぎても問題あり。
どちらにせよ、
- 着付けにくい
- 着崩れしやすい
これがセットになり、随時ついてまわります。
※身幅により、裄(ゆき)の長さも変わります。
身幅と裄(ゆき)は比例します。
(裄は袖の長さです)
身丈(みたけ)とは?
着物の身丈=着物の長さ
※女性の着物の場合
おはしょり分を含むため、羽織ると着物の裾が床に着きます。
この時点で着物を引きずる状態でないと、寸法が小さい。
身丈が足りないと、十分なおはしょりが出ません。
逆に長すぎると、生地が余ってしまいます。
2.それぞれの確かめ方
身幅(みはば)
着物を羽織る
↓
背中の中心に縫い目がくるようにする
↓
着物両脇をそれぞれ持ち上げ、裾(すそ)をかかとスレスレの長さに
↓
右、左順で着物を合わせる
↓
左右それぞれの生地を確認
太ももワキまでしっかりとかぶればOK
※腰回りの一番広い位置で確認します
身丈(みたけ)
身丈は身長と同じ長さ!
はじめにこれを覚えると、便利です。
身丈は
「床+20センチ」と言われます。
その20センチがおよそ顔〜首の長さ。
※羽織った時、裾(すそ)が床に余るのが前提です
着物を羽織る
↓
背中の中心に縫い目がくるようにする
↓
着物両脇をそれぞれ持ち上げ、裾(すそ)をかかとスレスレの長さに
↓
右、左順で着物を合わせる
↓
紐(ひも)で縛る
目安は腰骨
↓
おはしょりの長さを確認
(5〜8センチくらいあればOK)
※帯の位置にもよります。
正統派の胸下に対し、低めに結ぶ場合も。
- 身長がある方
- 大人っぽく着たい方
にオススメです。
それぞれのお好みでどうぞ。^_^。
3.寸法が合わないと、どうなるの?
※身幅が足りない場合
着物がしっかり合わさらない
- 襟元がゆるみ、衣紋(えもん)がつまる
- 帯下がはだけ気味になり、フレアースカートのようなラインに
- 座った時に、足のすねがチラリズム
- 裄(ゆき)が短い
※身幅があまる場合
あまった生地の行き場がない
- 前見頃(まえみごろ)に縦シワがよる
- 余分な生地が足に巻き付き、歩きにくい
- 裄(ゆき)が長い
※身丈が短い場合
- おはしょりが出ない
- 裄(ゆき)が短い
※身丈が長い場合
- おはしょりがモコモコする
- おはしょりの幅が広くなりがち
- 裄(ゆき)が長い
4.あくまでも応急処置ですよ?
着付け後、着崩れてからでは間に合いません。
一般的な「着崩れ直し」は、寸法の合う着物が崩れた時のもの。
今回は「寸法難」と割り切り、着付けの段階から気をつけるのが得策です。
着物の襟を首から離す
※身幅が足りず、着物がしっかり合わさらない場合
長襦袢(ながじゅばん)の段階で、首の横に隙間を開けます。
こうすることで、着物の身幅分に少しだけ余裕が生まれます。
おのずと裄(ゆき)も長めに。
着物の左側だけ合わせる
「どういうこと?」
着物は左右を合わせて着ます。
左右対称にすると、左の上前(うわまえ)は「見える」生地が足りません。
ということで!
下に重なった「見えない右側」は無視します。
※左の生地を右にスライドし、身幅を調整します。
こうすることで、パッと見は身幅が足りてるように(⁈)
ちょっとだけ、見えます。
当然ペロリと左側をめくれば、下の生地は重なりが甘い。
足一本が丸出し!なんてこともあります。
ということで、常に「両足をピタ」状態を維持する必要があり、
次の日は筋肉痛確定!
両脇でタックをとる
※身幅があまる場合
あまった生地を後ろに倒し、シワを防ぐ!
長襦袢(ながじゅばん)とも着物の間の空気を抜くイメージで。
着物を体に密着させます。
これ、結構難しいです。
特に一人で着る場合。
慣れていないと、モコモコでやりにくいかも知れません。
身丈が短い場合
腰紐(こしひも)の位置を下げる。
その分おはしょりの生地が出ます。
※あまりに身丈が短いと、おはしょりの折り目すぐ上に腰紐がきます。
紐の先が出ないよう、しっかりと入れ込みます。
腰紐を下にすると、帯の位置も低くなります。
身丈が長い場合
腰紐(こしひも)の位置を上げる。
身丈が短い場合と反対ですね。
余分を後でまとめるため、この時点でいかに少なくするかが重要です。
※あまった生地は、補正代わりに使うと◎。
補正は、ウエストの細い部分に作ります。
それを着物の余り生地をあてる、というもの。
おはしょりに厚みが出てしまい、「すっきりしない」という悩みをよく聞きます。
余分な生地を上げ、おはしょりを一枚にするのがコツです。
5.忘れちゃいけない、長襦袢
「着物はお母様から、長襦袢は叔母さんからもらった。」
なんて時は要注意。
着物と長襦袢の寸法が違う!
これは無視できません。
着物が大きい場合→長襦袢が着物の振り出てしまう
長襦袢が大きい場合→長襦袢が着物の袖口から出てしまう
どちらにせよ問題です。
応急処置法で用意するもの
- 安全ピン
- 針と糸
まず簡単な安全ピンの方からまいります。
長襦袢がはみ出た生地をとめます。
長襦袢が袖口から出た場合
↓
腕の上辺りで、余分の生地をつまんでとめます
※着物を着てからはやりずらい。
誰かにやってもらうか、着る前にとめておくと◎。
針と糸を使用する。
着物の振りから長襦袢が出てしまう時に適します。
※あまりに寸法が違う場合は✖️
応急処置も限界があります。
とは言え
極端な場合を除き、最後はその人が「着物を楽しんでいるか?」
これに尽きると思います。
- 形見の着物を、寸法が合わなくとも大切に着ている
- 着方を工夫して、自分の体型に合わせる
これらはみんな、柔らかな知恵で解決できることも多い。
その時、基本の知識を知っていると便利です。
それでも分からない事があれば、kimonoしゃなりにご連絡くださいね。
お待ちしております。^_^。
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