着物を彩る帯と小物の基本

着物を彩る帯と小物の基本
着物を楽しむとき、帯や小物の選び方はとても大切です。
帯の種類によって、フォーマルな場面にふさわしいものや、カジュアルに楽しめるものがあります。
また、帯締め(おびじめ)や帯揚げ(おびあげ)などの小物も、着こなしの雰囲気を左右します。
今回は、帯の種類や、それに合わせる小物について分かりやすくご紹介します。
目次
1.帯の種類と特徴
帯には、大きく分けてフォーマル向けとカジュアル向けがあります。
【フォーマル帯:袋帯(ふくろおび)】

袋帯は、礼装や改まった場面で使う帯です。
華やかな柄や金銀の糸が織り込まれたものが多く、結婚式や入学式、卒業式などの場面でよく使われます。
結び方も「二重太鼓(にじゅうだいこ)」という格式のある形にするのが一般的です。
訪問着(ほうもんぎ)や留袖(とめそで)と合わせることが多い帯です。
二重太鼓(にじゅうだいこ)
「喜びが重なりますように」との願いを込めて二枚生地を重ねます。
【カジュアル帯:名古屋帯(なごやおび)】

名古屋帯は、普段着やちょっとしたお出かけに使う帯です。
袋帯よりも軽く、締めやすいのが特徴です。
一重太鼓(ひとえだいこ)というシンプルな結び方が一般的で、小紋(こもん)や紬(つむぎ)の着物と相性が良いです。
柄も可愛らしいものやシックなものなど、バリエーションが豊富です。
※袋帯も名古屋帯も、結んでしまえば見た目に違いはありません。
よく見れば、お太鼓部分が一枚か、二枚か。
これだけの差です。
まれにカジュアルの袋帯もあります。
一般に「シャレ袋」と呼ばれ、お洒落な帯として人気があります。
【浴衣(ゆかた)に合わせる帯:半幅帯(はんはばおび)】

浴衣には、軽やかな半幅帯がぴったりです。
結び方も自由にアレンジしやすく、リボンのように結ぶ「文庫結び(ぶんこむすび)」や、大人っぽい「貝の口(かいのくち)」などがあります。
素材も柔らかいものが多く、初心者でも扱いやすい帯です。
また浴衣だけでなく、紬(つむぎ)や小紋(こもん)にも◎。
気軽にお洒落な着物スタイルが完成します。
2.帯と一緒に使う小物
帯を締めるときには、いくつかの小物を使います。
それぞれの役割と、選び方のポイントを見ていきましょう。
【帯締め(おびじめ)】

帯締めは、帯の上から結ぶ細いひも状の小物です。
帯をしっかり固定する役割と、コーディネートのアクセントになる役割があります。
フォーマルの帯締め
平組みと呼ばれる平たいものが一般的です。
カジュアルには、色鮮やかなもの、デザイン性の高いものが人気です。
また、三分紐(さんぶひも)など細いものに帯留(おびとめ)を通し、
様々なデザインを楽しみます。
普通の太い帯締めだと、帯留(おびとめ)の金具には通らない場合が多いです。
さらに帯締めのフサが引っかってしまうので、実用的ではありません。
【帯留(おびどめ)】

帯留は、帯締めに通して使う飾りです。
小さなアクセサリーのようなもので、シンプルな帯締めに合わせると、ぐっとおしゃれな雰囲気になります。
フォーマルな場面では、金や銀を使った華やかなデザイン、カジュアルな場面では、ガラスや陶器などの可愛らしいデザインが人気です。
カジュアルでお洒落を楽しむ小物として、デザインが豊富です。
【帯揚げ(おびあげ)】

帯揚げは、帯の上部にちらりと見える布のことです。
帯の形を整えるために使うもので、見える部分が少ないながらも、コーディネートの重要なポイントになります。
フォーマルな場面では、絞り(しぼり)や光沢のある素材、カジュアルな場面では、差し色になる鮮やかなものも人気です。
【重ね襟(かさねえり)】

重ね襟は、襟元に色のアクセントを加えるための布です。
着物の襟の内側に入れることで、華やかさが増します。
フォーマルな場面では金や銀の入ったもの、カジュアルな場面では、着物や帯の色に合わせたシンプなものがよく使われます。
袋帯同様、喜びを重ねるという意味からお祝いの場面で活躍します。

3.草履(ぞうり)とバッグの選び方
着物に合わせる履物とバッグも、場面によって選び方が変わります。
【フォーマルな草履とバッグ】
フォーマルな場面では、草履はかかとが高めで、上品な光沢のあるものが適しています。
バッグも、帯や着物と合わせた上品なデザインのものを選ぶと統一感が出ます。
セットになっているものも多いので、初心者の方は揃えておくと安心です。
【カジュアルな草履とバッグ】
普段のお出かけには、カジュアルな草履やバッグが適しています。
草履は軽く、歩きやすいものが多く、バッグも和柄の巾着(きんちゃく)や、普段使いしやすい布製のものなど、選択肢が豊富です。
洋服用のバックもどんどん活用しよう!
リュックなどはさすがに極端かと思いますが、そのバックを持つことで、着崩れしてしまうものでなければ特に決まりはありません。
カジュアルスタイルなので、基本「楽しんだ者勝ち!」着物用、洋服用と分けず自由に楽しみましょう。
4.まとめ
着物を着るとき、帯や小物の選び方で印象が大きく変わります。
フォーマルな場面では、格式のある帯や上品な小物を選び、カジュアルな場面では、自由な組み合わせを楽しむことができます。
初心者の方は、まずは基本的な組み合わせを覚えて、少しずつ自分の好みに合ったコーディネートを楽しんでみてください。
帯や小物の選び方を工夫することで、着物の魅力がより引き立ちます。