着物の肌着・何がある？何が良い？

こんにちは！
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。

着物を着る機会がだいぶ増えましたね。
日々着付けの予約を見ても、改めて実感します｡

今回はそれにともない出てくる疑問。

着物の肌着について

「何を買ったら良いから分からない」
という声を聞きます｡

肌着の種類、体型別にオススメのものをご紹介します｡
心地良い着物生活の参考にどうぞ｡^_^｡

肌着＝ショーツなど、下着を着けた上に着るものをさします｡

着物の肌着

1. 肌着について
2. 肌着の種類
3. 体型別オススメ肌着

1.肌着について

着物の肌着は長襦袢ではありません｡
たまに
「直接長襦袢じゃダメですか？」
という質問を受けます。

基本、長襦袢の下に肌着は必要です。

• 理由1：長襦袢の汚れを防ぐ
  長襦袢は都度クリーニングには出しません。
  特に正絹（しょうけん）の場合は何度も着用の上、「着物と一緒にクリーニング」ということも。長襦袢を守る、長持ちさせるという意味でも肌着を着ます｡

• 理由2：着心地
  着付けによるひもが直接食い込むのを防ぐ｡
  長襦袢はひもや伊達締めで着付けます｡直接長襦袢を着ると、それが体に当たります。
  「結び目が痛い」
  よく聞きますが、実際に辛いです｡
  その部分に、さらに帯が巻かれます。着物の上からは直すことができません｡
  着心地のためにも、肌着は大切です｡

• 理由3：着姿に直結
  足捌き（あしさばき）が良い｡
  生足に長襦袢の場合、静電気で生地がずり上がってしまいがち。（特にウールやポリエステルは、静電気が起きやすい）
  気になるからと、着物をめくって直すこともできません。
  またお手洗いなどで直しても、歩けば元に戻ってしまいます。
  もこもこが気になるし、着姿もすっきりしません｡

2.肌着の種類

• 二部式タイプ
• ワンピースタイプ

ざっくりこの２つに分かれます。

二部式タイプ

上下セパレートタイプ｡
肌着と裾よけに分かれます。
カシュクールのように、それぞれひもで調節します。

ワンピースタイプ

やはりひもで調節するものが多い｡
左右を前で合わせ結びます｡

黒留袖専用も存在します。
※その場合、最礼装の着付けに相応しく衣紋（えもん）がさらに抜けています｡

その他

着物スリップ

ワンピースタイプの肌着と似ており、よく混同されます。

着物スリップは上下がつながっています｡
上半身は綿素材｡
下半身はスリップ生地ですべりが良いものが多い｡
着丈は短めで、基本浴衣用としても使われます。

半襦袢

肌着と長襦袢を合わせたもの｡
綿素材の肌着に、襟が付いています。
袖部分のみ、長襦袢のような別素材の仕立てという場合も。
まさに「一枚で二役」という作りです｡

上半身のみのものが多いので、
裾よけが必要になります｡　

着物の下着について

• 着物ブラジャーの存在｡
  胸の大きさに関わらず、着物専用のブラジャーは便利です｡
  洋服用のブラジャーは胸に高さを出してしまいます｡
  着物は体の凹凸を抑えた着付けをするため、予めおさえると◎。
  帯の上に胸がのるとどうしても「女将さん感」が否めません。
  着物ブラを着けるとすっきりした着姿の他、着心地が良いです。
  ブラジャーのワイヤーに着付けにひもが当たって痛い｡
  そんなこともなく快適です。
  
  ※着物だけでなく、浴衣にもオススメ｡スポーツブラ、ナイトブラで代用も可｡
  その際にはパットはのぞき、厚みをおさえてください｡

• 避けるべきガードル
  下腹ポッコリが気になり、矯正下着のガードルを使用する方がいます。
  着姿自体は問題ないのですが、トイレの時に大変です｡
  特にハイウエストタイプは苦労します。脱ぎにくい！
  お下がり着物で、着丈が短い場合は要注意｡
  そのような場合、着付けで腰ひもを下目に結びます｡
  「ひもが邪魔でガードルのウエスト部まで、手が届かない！」
  さあ、大変｡個室なので一人で格闘しなければなりません｡
  途中で腰ひもがゆるんでしまったり、着崩れの原因にもつながります｡

3.体型別・オススメ肌着

体型

• ふくよか体型
• 痩せ体型

身長

• 小柄さん
• 背高さん

大まかに分かれました。
それぞれの体型、身長に合わせ、ご自身に合う肌着をお選びください｡

二部式オススメ体型

全員にオススメ！
体型を選ばず、二部式タイプは使いやすい｡

中でもふくよか体型の方はマストです！
※ひもで身幅を調節できるので着心地、着姿共に◎｡

逆にワンピースタイプはNG｡
ボリュームのある部分にパツパツ感が出てしまう。
生地が上がり、裾（すそ）も短くなってしまいます。

逆に
小柄さんは「裾よけが長い」という場合も。
そんな時は生地を腰部分で折りあげ着付けます｡

それぞれの体型に合わせられるのが、二部式肌着の最大の魅力です｡^_^。

ワンピースタイプ・オススメ体型

痩せ方体型の方

上半身と下半身で凹凸が少なく、ほっそりした方は
ワンピースタイプが良いですね。
一箇所の結びで済むワンピースは、一言で言うと楽｡

もうひとつ、着物のごわつきについて｡
裾を下から引っ張れば、肌着がリセット｡
背中のシワや、帯の中がすっきりします｡

小柄で痩せ方体型

• 着物スリップ
  浴衣に用いられることも多く、丈が短めです｡
  「肌着の丈が長い」という方ははじめから短い着物スリップが◎。
  逆に背高さんだと、丈が短くなってしまうのでオススメしません｡
  
  暑がりさん
  体型ではないですが、少しでも涼しく！という方にはオススメです。
  また夏場などは一枚でも生地を減らしたいものです。
  
  また浴衣にもオススメです｡
  浴衣に半襦袢を合わせて着物風に｡

おまけ・補正について

体型に関わらず、補正は必要です｡

「私、太ったので補正はしなくていいです。」
と、補正用のタオルを持ってこない方もいます｡

太った、痩せたに関係なく、人の体には凹凸があります｡

補正のタオルは2〜5本用意します｡
ウエストまわりに2本｡
その他ヒップパット代わりに1、2本｡
振袖などは胸上にも補正をします｡

肌着同様

• 汗が直接、着物や帯に染みるのを防ぐ
• 着付けのでひもが食い込みにくい
• 着姿がきれい

などの利点があります｡

まとめ

かつて私自身も、着物の肌着選びに迷いました。
何か良いか分からず、先輩に聞いた経験があります。

着物生活を続けるうちに、実体験を通し自分に合ったものが分かるようになりました｡
好みのものが見つかると、着物への距離が一気にちぢまります｡

たかが肌着、されど肌着｡
外から見えないからこそ奥が深い｡

家庭で洗濯できるのも嬉しい｡

体型、好みに合わせ、お気に入りの肌着を見つけてくださいね！

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