こんなに変わる!文庫結びの可能性
こんにちは!
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。
夏は、半幅帯(はんはばおび)が活躍します。
普通の帯の半分だから「半幅帯」(はんはばおび)。
浴衣(ゆかた)はもちろん、着物にも使えます。
涼しい、簡単、かわいい!
そんな半幅帯・基本の結び方
目次
【文庫結び(ぶんこむすび)が今回の主役です】
若い方には「リボン結び」と言った方が、分かりやすいかもしれません。
一見かわいい文庫結び(ぶんこむすび)ですが、アレンジ次第で、表情ががらりと変化!
気分に合わせ、バリエーションを楽しめます。
今回は基本形の他、3 タイプのご紹介です。
- かわいい
- 大人っぽい
- 個性派
ご自分に似合う帯結びの参考になれば幸いです。
これからの季節、特に浴衣(ゆかた)にオススメです。^_^。
〈まずは基本・文庫結び(ぶんこむすび)〉
一度は必ず見たことがある!という代表的な結び方です。
「簡単で崩れにくい」と、初心者にも人気です。
江戸時代(!)からある結び方で、現代も広く親しまれています。
※例えば袴(はかま)。
腰のポコッとしたふくらみには、文庫結びが隠れています。
浴衣(ゆかた)や着物に結ぶ場合、リボンの両側を下げるのが特徴。
若々しい印象ですね。
さらに「もっと可愛くしたい!」という方のために、、。
〈1 かわいい・文庫結び(ぶんこむすび)〉
〈花文庫(はなぶんこ)〉
ザ・リボン!
とにかくかわいい!
幾重も重なるひだが特徴です。
正統派のかわいらしさで、背中からのインパクトは最大級。
大きなリボンは、それだけで気分が上がります。
リボンと呼べば「洋」のイメージですが、古来よりとても縁起の良いものです。
・良縁
・縁結び
・心を結ぶ
など、文庫結び(ぶんこむすび)のイメージは、日本の暮らしに溢れています。
お祝いの水引き!
これも素敵な例ですね。
思わず顔がほころんでしまう、、。
左右の幅を変えても、様々な表情が楽しめます。
コツは、中央から広げ大きく結ぶと◎。
帯のお花を咲かせるイメージです。
ふんわりラインを意識して、大輪の花を咲かせましょう。
若い方に特に似合うと思います。
かわいい文庫結びでした。
〈2 大人っぽい・文庫結び(ぶんこむすび) 〉
〈片流し(かたながし)〉
一般的にかわいいイメージがありますが、「大人っぽい」も可能です。
片結び(かたむすび)すると、一気にキリリと引き締まります。
元は同じ文庫結び(ぶんこむすび)が、途端にカッコ良く決まります。
こちらは片方のタレが長め、個性的な雰囲気です。
帯を大人っぽくするには「下に垂らす」のがコツ。
かわいい結びと逆ですね。
〈ポイント2!〉
帯の角を立てるように意識し、形を整えます。
直線が多いと、それだけ大人度が増します。
手で帯をしごき、ピーンとラインを張るように。
これだけで仕上がりに差が出ます。
是非お試しあれ!
斜めに傾け、あえて左右非対称に。
大人の余裕を出しましょう(笑)。
〈3 個性派・文庫結び〉
着物も浴衣も、着付けは同じ。
個性を出すなら帯結びで勝負です。
文庫結び(ぶんこむすび)で個性を出すなら、これ。
だらりの文庫結び。
帯両側を長く垂らした、究極の進化型。
角度や、長さによりバリエーションが無限大。
・タレ先同士を留めて舞妓(まいこ)さん風に!
ブローチや帯留めを使用しても素敵です。
和髪や、簪(かんざし)との相性も良し。
・リバーシブルの場合、左右で色を変えても◎。
垂れる帯が長い分、個性を発揮します。
・帯締めなど、ヒモ状の飾りを活用。
など、様々なバリエーションが楽しめます。
※だらり風はシンプルな分、個性派さんのセンスが光ります。
夏祭りはじめ、お酒の席でも盛り上がること間違いなし!
〈帯結びの可能性〉
同じ帯結びであっても、人により雰囲気が変わります。
文庫結び(ぶんこむすび)は基本であると同時に、とてもシンプル。
それゆえ、一度覚えてしまえば、その後は好きにアレンジ可能。
半幅帯はカジュアル、気軽が魅力です。
カジュアル用の名古屋帯(なごやおび)。
フォーマル用の袋帯(ふくろおび)。
共に形は同じお太鼓(おたいこ)です。
それに比べて半幅帯(はんはばおび)には、
数えきれない結び方があります。
加え、暑い季節に半幅帯はありがたい存在。
・背中に当たる面積が小さい
・帯枕(おびまくら)等、着付道具が少ない
お太鼓に比べ、とても涼しい!
個人的な意見です。
実際この時期、お太鼓結びはあまりしません。
暑いし、汗が帯に移るのを避けたいからです。
つい昨日のこと。
浴衣姿でふらふらしていたら、ご近所さんに声をかけられました。
「浴衣(ゆかた)、涼しそうですねー♪」
半幅帯(はんはばおび)とは言え正直
梅雨の最中、暑いは暑い。
それでも少しでも涼しげに見えたなら、御の字(おんのじ)です。
着物が好きです。
日本に暮らす日本人として、誇りを持ちたい。
着物文化の素晴らしさを、次世代に伝えたい気持ち。
共有したい気持ちもあります。
浴衣教室の後。
皆さんの様子。
温暖化のニュースも連日ですが、日本文化の素晴らしさを揺るがすことはできません。
どのみち暑いのであれば、
みんなで素敵な帯結びを楽しみましょう!
着付けのご予約、着付け教室はこちらからどうぞ!
暦は小暑(しょうしょ)。
今年の梅雨明けは、、。
夏野菜を食し、熱を逃がすか。
はたまた鰻でスタミナをつけるか?
どうやって暑さを乗り切りましょうかね。
〈おまけ〉
先週の土曜日。
宇都宮で着物のご婦人を発見!
蒸し暑いオリオン通りを歩いていたら、後光の指す着物姿が。
夏着物に麻の帯。
サングラスにショートカット。
着物にサングラスが素敵なのは、女優・岩下志麻さん以外に知りませんでした。
控えめに言って最高にクールでした。
素敵な人とすれ違うだけで、何らかの感動が残ります。
着物に限らず、その人らしい装いは魅力的です。
そのご婦人は魅力を通り越し、魔力的でした。
憧れちゃうな、ああいうの。
皆さんも素敵な帯結びを楽しんでください。