着物の上着「コートの種類」について
皆さんは、着物の上着お持ちですか?
着物は、何着か持っていても、上着まで準備していないという方が多いのではないでしょうか…
一つはあると便利な和装コート、着物のコートにもいくつか種類があるのでご紹介します。
コートの種類・フォーマル用
道行コート
道行コート(みちゆきこーと)と言います。
一昔前までは、着物のコートと言ったら「道行」というくらい、お着物をお持ちの方は道行コートもお持ちだったのではないでしょうか。
わたしの母も道行コートを着ていました。
襟が四角く開いていて、目でボタンもしくはフォックなどで留まるようになっています。素材は、色々ありますが用途によって変わります。
綸子(りんず)、縮緬(ちりめん)、繻子(しゅす)などで作ることが多いですが、ビロードやベルベットならば防寒用のコートになります。
生地に防水加工を施せば、雨コートとしても使えます。
ただ、最近ですとあまり道行衿でコートを作る方がいません。
私も数十年着物屋に勤めていますが、未だかつて道行コートを作ったお客様は一人もいらっしゃいませんね。やはりその時代の流行りもあるのかもしれませんね。
道中着コート
道中着(どうちゅうぎ)と言って、
コートの襟が着物の襟に沿う形の上着を道中着と言います。
フォーマルからカジュアルまで幅広く使えるコートです。
生地の素材や柄によって、使い分けます。
以前は、カジュアル向けのコートだったようですが、今誂えで承るコートはほとんど道中着です。
丈も少し長めにする事でフォーマル向きに、短くするとカジュアル向けになります。
紋紗コート
紋紗(もんしゃ)コートは、生地に透け感のある素材で作るコートのことです。
散りよけで着ます。近年、温暖化が進み暑い日が多いので、コートを着て汗ばむ陽気の時に散りよけを着て出かけます。何より軽いですし、透け感が見た目にも涼しい印象を与えてくれるので好まれます。
羽織
羽織(はおり)は、前が開いていて、着物や帯が見える形をしています。
襟は、外側に折って着るのが正解です。
丈の長さもさまざま。長さによって、だいぶ印象が変わるので、面白いです。
羽織りには、オシャレに着こなすポイントが二つあります。
一つは、【羽織紐】
さりげなく前に下がる羽織紐ですが、意外に存在感のある小物。種類も沢山あるんですよ。着ていくシーンに合わせて選ぶのも楽しいですね。
そして、もう一つは、【羽裏】
羽裏は、着ている時には見えないのですが、脱いだ時にチラリと見えるところ。
別誂えで染めて作る方もいるくらい、凝りがいのあるものです。
防寒コート・雨コート
防寒(ぼうかん)コート、字のままですね。寒い時に寒さからみを守るために着るコートです。形もいろいろですが、襟の形がお洒落なものが増えてきています。
雨コート
洋服で言う、カッパです。
着物を雨から守るために着ます。
着物が濡れないように着るものなので、着丈が長いものが良いでしょう。
コートの襟、他にいろいろあります
コートの襟を決める時に参考にしている資料です。
人気な襟の形は、【きもの衿】と【道中着衿】ですが、他にも千代田衿やへちま衿など、形様々。
皆さんのお持ちのコートは、どの形のコートでしょうか?
上着のルール
着物との合わせ方
上着も着るシーンによって使い分けます。
皆さん、着物を着ているシーンを思い出してみてくださいね。例えば、冠婚葬祭など女性の正式な着物姿の時には、上着を着ません。
ただ、移動の時は別です。
外を歩く際や車に乗る時など、帯や着物を汚れから守る役目もあるコート、そんな時は上着を着てください。
フォーマルの着物ならば、コートがいいですね。
カジュアルの着物ならば、羽織りもOK。
あとは、柄行でフォーマル向きかカジュアル向きで使い分けます。
そうですね、フォーマルならば、無地に近いお柄の方が使いやすいと思います。
地模様の入っている無地の着物や江戸小紋などで誂えると良いでしょう。
そして、カジュアルならば、少し柄のたっぷり入った小紋や木綿、紬地などで作るのもおすすめです。
羽織も、昔五つ紋の入った黒羽織を入学式や卒業式、法事などの席で着ていましたが、そう言うものでなければ、大胆な柄の小紋などで作ってもお洒落で粋な着方ができると思います。
長さはどう決める?
コートの長さは、好みにもよるのですが、
フォーマルは長め、カジュアルは短めに作ることをお勧めしています。
ですが、今あまり短く作る方はいません。
ちょうど、ご自身の膝丈くらい(7〜8分丈)で作る方が多いです。
そして、防寒や雨コートとして作る方は、着物の丈と対丈で作ります。
お茶をやっていらっしゃる方も長く作る方が多いですね。
コートはいつ脱ぐの?
基本、コートは、室内に入る際に脱ぐのが決まりです。これは洋服と一緒です。羽織は、洋服で言うところのカーディガンのようなものなので、室内に入っても脱がなくて良いとされています。
ただ、正装の時は羽織りも脱ぎましょう。
脱いだあとは、軽く袖畳みをして腕にかけます。
ぐちゃぐちゃに畳んで、バッグに無理やり詰めるなどもあまり美しくないのでやめましょうね。
まとめ
着物を着る上で、やはり揃えていただきたいアイテムの一つ、上着について書いてみました。
和装コートも用途によってたくさんの種類のコートが存在します。
- 道行コート
- 道中着コート
- 紋紗コート
- 羽織
どれも、素材や柄行、着丈によって使い分ける。
アイテムを増やして、着こなす楽しみを増やしていきましょう。
私もいつか絵羽コートを手に入れたい…
KIMONOしゃなり寺﨑
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