【TPO】着物の種類と格について

MAY 03 2024

こんにちは！･゜ﾟ･:.｡一期一会.｡.:･゜ﾟ･を大切にしている松川です。

今回は着物の種類と格についてお話しさせていただきます♪

和服を着用しようとした際、「その着物は格が違う」と言われたことがある方もいらっしゃるかと思います。

でも「格」と言われても、分からないことも多いでしょうし、
じゃあ、どの着物なら格が相応なの！？
と思っても聞けない時ってありますよね。

そんなあなたのために、わかりやすく着物の種類と格の違いについて説明させていただきます！

【黒留袖】

洋服に例えると…フォーマルドレス
格…第一礼装
合わせる帯…袋帯

結婚式に黒留袖を着用できるのは、新郎新婦の母親です。子供たちの結婚を祝福するために足を運んでくれたゲストに対し、親として最大限の敬意と感謝を表すための装いには、正礼装である黒留袖が最もふさわしいと考えられています。
ただし、結婚式は両家の装いが釣り合わなければいけないため、もしも黒留袖を着用するなら、どちらか一方だけでなく、両家の母親が黒留袖を着ることが大切です。
注）最近は黒留袖では格が高くなり過ぎると、母親以外の親族はあえて色留袖を着用するケースも多いようですが、地域によっては親族の既婚女性は全員黒留袖というしきたりのところも。事前に確認して、両家の親族が着物の格を合わせることが必要です。

【色留袖】

洋服に例えると…フォーマルドレス
格…五つ紋：第一礼装（黒留袖や振袖と同格）、三つ紋や一つ紋：準礼装　※紋の数によって格が変わる
合わせる帯…袋帯

色留袖は紋の数によって格式が決まります。紋の数が多いほど格が高くなり、五つ紋をつけた色留袖は、黒留袖と同格の第一礼装として、親族の結婚式や披露宴、授賞式などに相応しい装いtなります。三つ紋、一つ紋は準礼装として、親戚の結婚披露宴やパーティーなど気軽に着用できます。そのため、最近ではあえて一つ紋や三つ紋にすることも増えてきています。
注）レストランでの食事会やショッピングなどカジュアルなシーンでは不向きです。紋の数が少なくても、改まったシーンに着用する格の高い着物であることに変わりはありません。

【振袖】

洋服に例えると…フォーマルドレス
格…第一礼装　※基本未婚女性に限る
合わせる帯…袋帯

振袖は名前の通り、振る袖＝長い袖の着物です。現在の日本では未婚女性の第一礼装とされ、華やかな衣装としてだけでなく、着用する場によっては礼装としての品格も求められます。振りの長さが
3尺(約113cm）以上のもの→振袖＝ご自身の結婚式の衣装として
2尺5寸(約95cm）→中振袖＝成人式、お稽古事、友人の結婚式参列など
2尺(約75cm）→小振袖＝卒業式や謝恩会
成人式などで良く見かけるのは中振袖姿です。
格が上がるほど、自信を持って着用してもらえるシーンが増えていきます。

【訪問着】

洋服に例えると…おしゃれなドレス
格…準礼装　※ミス・ミセス関係なし
合わせる帯…袋帯

結納の席や披露宴・パーティー・授賞式などの式典、お茶席にふさわしい着物です。帯の合わせ方で上品にも個性的な装いにもなります。
訪問着で柄が多め、見た目が豪華なものは、どちらかというと授賞式などの「自分が主役」という場面やパーティーなどの華やかな席で着用することをオススメします。

【紬訪問着】

洋服に例えると…スーツ・ワンピース
合わせる帯…袋帯　※フォーマルすぎないもの

同じ訪問着でも「紬」ですと、カジュアル寄りになります。結婚式や祝賀会などのフォーマルシーンにはあまり向かず、フォーマルすぎないおしゃれな袋帯と合わせて、レストランでのお食事や気軽なパーティー、観劇やお食事会に着用するのがオススメです！

【付下げ】

洋服に例えると…フォーマルドレス
格…準礼装　※ミス・ミセス関係なし
合わせる帯…基本は袋帯　洒落袋帯や織りの名古屋帯でもOK

付下げは訪問着を簡略化した着物として考案されました。使用用途は訪問着と同様ですが、付け下げはどちらかというとお子様の入学や卒業式などの「主役を引き立たせる席」での着用がオススメです。
華やかというよりも、落ち着いていて上品な柄付けが多いため、どちらかというと訪問着よりは控えめな装いとなります。
フォーマルシーンでは金糸や銀糸の入った重圧感のある袋帯を合わせることで格を上げ、カジュアルシーンでは染の名古屋帯で季節感を演出するなどTPOに応じた帯小物でコーディネートを楽しめます。1枚持っているとかなり重宝しますよ〜☆

【喪服】

洋服に例えると…ブラックフォーマル

ご葬儀や告別式などは個人を敬い、心から喪に服してお送りしたいものです。最近は洋装で参列する方も増えましたが、大人の女性としてパール真珠のアクセサリーと共に喪服をご用意されることをオススメします。
※使用している生地、染料、染め方に寄り品質に差が出ます。

【江戸小紋】

洋服に例えると…きちんとしたスーツ　※鮫・万筋・行儀・角通し柄はフォーマル寄り
格…柄によって変わる
合わせる帯…袋帯・名古屋帯

江戸小紋はセミフォーマルからカジュアルなシーンまで着用可能な着物です。
ただし、柄の種類や合わせる帯については着用シーンごとのTPOがある場合もありますので注意しましょう。
セミフォーマルで着用したい場合：背中に一つ紋を入れた「江戸小紋五役」を着用。帯は袋帯を使用します。
具体的なシーンの例）お子様の入学式・卒業式の付き添い、祝賀会、パーティなど
カジュアルで着用したい場合：柄の種類は問いません。帯には名古屋帯かおしゃれ用の袋帯を合わせます。

【小紋】

洋服に例えると…ワンピースやカジュアルスーツ　※カジュアル向き・フォーマル向きの柄あり
合わせる帯…名古屋帯

反物全体に同じ柄が繰り返し染められている着物が小紋と呼ばれています。カジュアルに向く柄、フォーマルに向く柄の小紋があり、訪問着や付け下げほど大袈裟すぎず、でもちょっとおしゃれもしたい・・・。そんな時にセミフォーマルな柄の小紋はとても重宝します！

【紬】

洋服に例えると…ジーンズなどのカジュアルスタイル　※所謂普段着
合わせる帯…名古屋帯

紬糸を染色してから織り上げて反物にします。フォーマルな着物と違い、着こなしの制約があまりないのでお食事会・同窓会・女子会など、ショッピングのような普通のお出かけにも気軽に着用していただけます。紬は「普段着」のような位置づけになりますので、結婚式や入学式、卒業式に着て行くのはNGです。紬は全国に産地があり、それぞれに特徴があるのも魅力の一つです。

【色無地】

洋服に例えると…上品なワンピース
格…紋入り→略式礼装　※紋を入れていない訪問着よりも格が上　紋無し→カジュアル〜普段着
合わせる帯…名古屋帯〜袋帯　TPOに合わせて変える

地紋のあるなしに関わらず、白生地を黒以外の一色で染めた着物です。紋を入れる数が多くなるほど着物の格が高くなる反面、着ていける場が限定されてしまうのが悩みどころ。そのため、紋無しか一つ紋でTPOに合った帯や小物をコーディネートする方が多いです。
また、黒色の帯を合わせることで略式の喪服に、薄いグレー地の九寸帯などを合わせると法事に使用することができます。
素材は縮緬(ちりめん）などの地紋がないものと綸子(りんず）などの地紋があるものに分けられ、地紋がある生地の場合、慶弔両用には流水や有職文様、慶事用には吉祥文様をお選びください！