あけましておめでとうございます

冒頭、昨年末の中東カタールで「冬のワールドカップ」が開催され、素晴らしい戦いの連続を世界中の人々が堪能しました。予選グループ初戦でサウジアラビアに敗れたメッシ擁するアルゼンチンの優勝、アフリカ勢史上初のベスト4入りしたモロッコ、そしてワールドカップ優勝国のドイツやスペインをジャイアントキリングした日本。それ以外にも列挙できないほどのドラマが生まれた大会でもありました。日本を背負って戦った代表監督、メンバー、コーチ、スタッフ関係者の皆様に、大きな声で「ブラボー!」と叫ぶことはありませんでしたが、心の中で「ブラボー!」と感謝しました。混沌化し冷え込む世界情勢や不安定な社会経済のなかに灯ったこの一本の蝋燭にどれだけ勇気づけられたことか。冬のワールドカップもいいものだな、と感じた年末でした。

さて、昨年2022年も新型コロナウイルス感染症の猛威が収まることもなく、弊社におきましても仕事の仕方や営業の形態に大いなる変化がもたらされました。しかしながら、お客様ならびにお取引先様のご支援やお力添えを賜りましたおかげで、無事新しい年を迎えることができました。コロナに関しましてはいまだ完全なる終息が見えないなか、資源高や円安による物価高騰が続く傾向にあり、マクロ的には本年の日本経済も厳しい状況にあることだけは確かなようです。

 近年、小売サービスというジャンルのビジネスにおいては、”モノ“を扱うことと同レベルで”コト”を扱う必要性が増してきていると実感しております。これからの時代は、体験価値あるいは共有価値を通して所有価値を提供できる先にビジネスが成り立つものだと信じて、弊社の新しい取り組みを始めています。

そのうえで2022年のKIMONOしゃなりを振り返ってみますと、店内で定期的に開催される催事(”モノ“イベント)を継続するとともに、「着付け教室」や「きものお出かけ会」また「ワークショップ」など、ライフスタイルとともにある着物を体験できる”コト“イベントにも注力した一年だったと思います。それぞれのイベントに関しお客様からのアンケートやお話しを伺うと、参加されて満足されている方が多いということが伝わり、私どもにとって次回開催への有難い励みとなっております。ありがとうございます。

あわせて、弊社が加盟店となっております日本きものシステム協同組合(JKS)が主催する「全国きものファンの集い」では、弊社顧客の皆様も含めた全国の着物ユーザーが一堂に京都に会し、大規模な着物パーティーを無事安全に挙行させていただきました。また同組合が発刊している季刊誌「るると」におきましても、弊社顧客の皆様が参加されたKIMONOしゃなりの「きものお出かけ会」の様子も複数回にわたり掲載されております。着るモノを通して着るコトの喜びを伝え広げることができた一年だったように思います。

さて、2023年は弊社創業155周年の節目の年となります。1868年(明治元年)に誕生した呉服店を令和の世になってもしっかりと預かりながら、この地域の着物ユーザーの皆様にお役立ちができるファンクションとソリューションを備えた店舗づくりに今後とも邁進していきます。ワクワクする様々なイベントを企画運営してまいります。

お客様に喜んでいただく、こと。まさに、私ども小売店の原点です。

本年も近い将来の和装の在り方に思いを馳せつつ、足元の一歩を着実に歩んでいきながら、新しい挑戦を続けていく年にしてまいる所存です。2023年がこのブログを見ていただいている皆様にとりまして穏やかでより良い年になることを祈念いたしまして、私からの年頭のご挨拶とさせていただきます。

元旦

株式会社 福田屋呉服店
代表取締役 佐々木英典

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