お着物のお手入れは出来ていますか？

JUN 27 2023

季節がどんどん進み、あっという間に6月も後半、夏着物の季節が近づいてきましたね。

これからのシーズンは絽や紗、麻のような涼しい着物が活躍する季節です。お祭りで浴衣を着る方も今年は多いのではないでしょうか。

今年の夏は浴衣を着よう！！

着物ユーザーの皆さまは、秋から春先まで着ていた袷のお着物のお手入れはお済でしょうか？
今回は着物のお手入れ方法について、自分でできるメンテナンスや保管方法についてご紹介したいと思います。

着物を着た後にしておくこと
着物の保管方法
自分でできるメンテナンス

着物を着た後にしておくこと

お着物を脱いだら先ずは着物に付いた湿気を飛ばすために、風通しの良い日光が直接当たらない場所に数時間～半日お着物を裏返しにして干しておいて下さい。
あまり長時間ハンガーに掛けっぱなしにしてしまうと肩山にハンガーの跡が付いてしまったり、表地と裏地のつり合いが悪くなり裾が袋状になってしまうことがありますので、長くても1日くらいがおススメです。
干す場所が確保できるようであれば、着物と一緒に帯や帯揚げ等の小物類も一緒に陰干ししてあげると良いと思います。

湿気を飛ばすことが出来たら、しばらく着ないお着物であれば一度クリーニングに出しておいた方が良いです。
襟元はどうしても皮脂汚れが付きやすい部分なので、目立っていなくても襟の折り目に汚れが付着していることが多いです。
着用からそんなにお時間が経っていなければ丸洗いできれいになる汚れでも、時間が経ってしまうと汚れが生地に定着してしまい落ちない汚れになってしまう事も！
折角のお着物、着ようと思って出してみたらシミや汚れが…なんて事は避けたいですよね。

着物の保管方法

メンテナンスが終わったら湿気が来ない場所に着物や帯、小物類は収納しておきましょう。
丸洗いから戻ってきたお着物にはシワや寄れ防止のために薄紙が挟まっていることが多いのですが、この薄紙を挟んだまま箪笥や箱に収納してしまうと紙が湿気を吸収してしまい、カビや黄変が着物に移ってしまう原因となってしまいます。
長期間しまいっぱなしになってしまう時は、挟んである薄紙はすべて外し、綺麗にたたみ直してからたとう紙に包んで収納してください。

保管場所としては和箪笥が一番おススメですが、和箪笥がなければクローゼットの一番高いところに置くと湿気対策になり良いと思います。
正絹の着物には虫が付くことは殆どないのですが、ウールの着物と一緒にしまうとウールを食べに来た虫に食われてしまう事があるので、正絹の着物は正絹だけでまとめてしまった方が良いです。
あまり着ないから…と押し入れの奥の方に入れてしまうと、いざ着るときにカビだらけ！という事もありますので保管場所には十分に気を付けましょう。

長期保管中も虫干しをしておくと、より安心して着物の保管をすることが出来ます。
湿気の少ない8月、11月、２月は着物の虫干しをするのにおすすめな時期です。
本当なら箪笥から着物を出して陰干ししてあげることがベストなのですが、「時間が取れない」、「畳むのが面倒くさい」という方は、着物の保管場所に風を通してあげるだけでもずいぶん違うので、箪笥の引き出しを数時間開けておくといった簡易的な虫干しをして下さいね。

自分でできるメンテナンス

「自分でできるお手入れ」で調べてみると、ベンジンを使ったしみ抜きや、アイロンを使ってしわ取りが出てくると思いますが私はあまりお勧めではありません。
ご自宅でのしみ抜きは、ベンジンを上手に扱わないとかえってシミを広げてしまったり、生地を擦ってしまい毛羽立たせてしまったりと、染み抜き前よりも状態が悪化してしまう事もあります。

もしご自宅で着物のお手入れをするのであれば、着物のお手入れ用のブラシで表面に付いたホコリを落とすことや、袖の中に埃やゴミが入り込んでいないかのチェック(袖の中のホコリに虫が付き、正絹の着物が食べられてしまうことがあります！)上にも書きました虫干し、半襟の付け替えくらいにしておいた方が間違いないと思います。