着物の劣化について
こんにちは、KIMONOしゃなりのみづきです。
着物って何世代にも渡って着る事ができるものという素晴らしいイメージがありますよね。
確かにお母様が着たお振袖をお嬢様が着たり、おばあちゃんから頂いたアンティーク着物をお孫さんが着たり、洋服より長い年月着る事ができます。
ただ、ノーメンテナンスの着物だと劣化によってすぐには着られる状態ではない場合もあります。
今回は着物の劣化について、どんな状態になってしまうのか、劣化させないためにはどのようにすれば良いかを書いてみたいと思います。
防虫剤による被害
着物が入っている箪笥、たとう紙の中からわんさか出てくる樟脳(しょうのう)等の防虫剤は、違う成分の防虫剤と併用してしまうと、着物に大ダメージを与えてしまいます。
防虫剤はガスを出して箪笥内に虫が入ってきてしまうのを防いでいるのですが、このガスによって着物や帯の色が焼けしてしまう事があります。
たとう紙から着物を出してみて、一番上になっていた面だけ色が変わっていた!
これは間違いなく防虫剤のガスによる劣化です。
ガス焼けと共に、金箔の色が変色してしまったり、柄に使われている糊の成分によっては溶けてベタベタになる事がありますので、防虫剤を入れる時は種類を混ぜないように気を付けてくださいね。
樟脳の強い香りが着物に移ってしまい取れない事も被害の一つですよね。
少し樟脳が香るかな?くらいならまだ良いのですが、箪笥を開けた途端、部屋中樟脳の強い香りがするレベルまできてしまうと、着物を着る方の体調に影響を与える事があります。
強い匂いが苦手な方だと、頭痛がしたり、目が痛くなる方もいますし、匂いで気分が悪くなることも。
一度染み付いてしまった樟脳の匂いは着物の丸洗いでは落ちない事が殆どです。
どうしても樟脳の匂いを取りたい!という時はオゾン消臭をしてくれるお店に出されると良いですよ。
着物に防虫剤はセット!くらい必ず入っているアイテムですが、実は防虫剤が必要なのはウールの着物で、正絹の着物に虫が来ることはほぼありません。
ウール着物と一緒に仕舞ってあるなら防虫剤を入れておいた方が安心ですが、全く別な場所に保管されている方は、防虫剤なしで保管していても問題ありません。
湿気による劣化
着物の1番の大敵は湿気です。
湿気を含んでしまうと、カビが生えたり変色してしまうし、生地が縮むことも!
縮んでしまった着物は表地と裏地の釣り合いが悪くなり、着用した時に変なダボ付きが出てしまいます。
桐の箱、桐のタンスに入っていれば安心・安全、は信用しすぎてはいけませんよ。
確かに桐箪笥は、湿度を一定に保つ、吸水性に優れている等、着物を保管するのに良い性質を持っていますが、箪笥を置く場所がかなり湿気っぽい場所ですと、桐箪笥でも湿気を防ぎきれないこともあります。
結露しやすい窓の近くに桐箪笥が接していれば、中の着物に影響が出ていてもおかしくないです。
また、箪笥にしまっていても年に何回かの虫干しは、してあげた方が着物を長持ちさせる事ができます。
春や秋の空気がカラッとしているシーズンに、直射日光の当たらない場所で虫干しをすれば、溜まっていた湿気を飛ばす事ができますし、虫干しの時に着物にシミだったりカビを発見できれば、早い段階で着物をメンテナンスに出す事ができるので、もし何かあっても軽傷で済む場合が多いです。
虫干しをする時間がない方は、タンスの引き出しを数時間開けっぱなしにするだけでも空気の入れ替えになるので、それくらいはやっておきましょう。
着物を包んでいるたとう紙もたまに交換してあげる必要があります。
呉服屋さんの名前が入っているたとう紙を大切に何十年も使っている方、危険です。
たとう紙の表面や内側に変色が出ていたら、それは湿気を含んでいるサインです。
即、交換した方が良いたとう紙です。今すぐ新しいたとう紙に替えましょう。
もう一つ危険なものが着物の箔を守るために入れてあるティッシュ等の紙類です。
たとう紙と同じくティッシュも湿気を含んでしまい、その状態で長らく放置してしまうと、箔がティッシュにくっついてしまい、結果、箔がハゲハゲになります。
箔のくっつきが心配な時はティッシュや半紙のような凹凸のある紙ではなく、クッキングシートのようなツルツルした表面の紙を挟んだほうが◎です。
糸の劣化に注意
正絹の着物はきちんとお手入れ、ちゃんとした保管をしていれば破れてしまうことはほとんどないのですが、縫っている糸が劣化して破れてしまう事はたまにあります。
代々で着ることの多い留袖、振袖、紋付は特に注意が必要です。お尻あたりの背ぬいが椅子なんかに腰掛けた時に、ビリっと破れてしまうことも稀にありますので。
大事な式の最中に背縫いが裂けてしまっては、ちょっとした大惨事ですよね。動揺が隠せません。
お仕立てをしてもらってから長い年月が経っているお着物は、前もって悉皆屋さんや呉服屋さんに状態を確認してもらうと良いと思います。
全体的に糸が弱っていれば、洗い張りをしてお仕立て直しをすることで、着物も洗ってスッキリするし、縫い直してもらえるので、また長い期間お着物を楽しむ事ができますよ♪
終わりに
今回は着物の劣化についてご紹介しました。
しまいっぱなしで目にする機会が減ってしまうと、メンテナンスも疎かになりがちなので、お手持ちのお着物はたくさん着てあげてくださいね!
着る事が1番の風通しにもなります♪
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