手持ちの着物大丈夫?点検作業はお早めに!
今の時期から、お子様の卒業式や入学式にお着物を着て出席したいと、お店にご相談にいらっしゃる方が増えてきます。
どなたからか譲り受けた着物だったり、結婚するときに持たせてもらった着物をご持参される方もいますし、新調される方など、さまざまです。
では、準備ってどんなことをするのでしょう?
また、なぜこんなに早い時期から、準備を始めるのかおわかりですか?
それは、お着物の加工やお手入れ、お仕立てなど、仕上がるまでにお時間が掛かることがあるからです。
早めに準備をしておけば、近くなって慌てることなく今から余裕のお気持ちでご準備できるかと思います。何をどうしたら良いのか判らない。そんな方のお手伝いをさせて頂きます。先ずは、こちらに実際にはどんな事をするのか、書いてみようと思います。お役に立てられたらうれしいです。
では、まず店で行う着物の点検についてお教えします。
確認の手順
こんな手順で確認して行きます。
①着物のサイズ→②小物の確認→③衣装の状態
着物のサイズを確認する
お持ち頂いた着物が、お客様の寸法に合っているかを確認します。
特にお譲りいただいた着物などは、以前その着物を着ていた人とこれから着る方の体型が違うと、大きく寸法が異なり、着るためにお直しが必要になることがあります。
あとは、女性ですと産前産後の体型の変化もあります。嫁入り道具で揃えてもらった着物、まだ一度も着ていないのに・・・全く寸法が合わない。そんなことも、よくある話です。
そんな時、お着物を着れるようにお直ししていきます。
チェックポイント
- 着丈
- 身長に合った長さがあるか?
- 腰で紐をとめて、十分におはしょりがでるか?
- 襟先が腰紐に引っかかるか?
- 身幅
- 着物の幅が足りているか?
- 下前の身頃が左脇までいくか?
- 裄(腕の長さ)
- 着物の長さが十分にあるか?長すぎないか?
衣装・小物の確認
〇表の見える部分の確認
- 持参されたお衣装が出席される行事ごとに相応しいものか?
- 着物・長襦袢・帯の組み合わせは間違っていないか?
- 着物と長襦袢の寸法が合っているものか?
- 長襦袢に半衿がついているのか?
- 帯締め・帯揚げ・重ね襟などのコーディネートは合っているか?
- 草履バックの状態は大丈夫か?
〇着付けに必要な道具や肌着の確認
- 必要な小物が揃っているか?
- 長さや状態は大丈夫か?
- 太って紐の長さが足りない
- コーリンベルトが壊れている
- 帯枕のガーゼがかかっていない
- 足袋のサイズが合わない
- 帯板のサイズが違う
こんなことがないよう、一緒に確認していきます。
衣装の状態確認
ここでは、メンテナンスに出す必要があるか?
お直しに出す必要があるか?を確認していきます。
- カビが出ている
- シミが出ている
- シワがひどい
- 脇がほつれている
- 帯から糸が出ている
- 半衿がついている
など、お着物の状態によってメンテナンスのご提案をさせていただきます。
お直しに必要な時間と料金
ご案内しました確認作業。
では、実際にお着物をお直しやメンテナンス、出したらどのくらいの時間と料金がかかるのでしょうか?
当店で最も多く承るお直しが、裄のお直しです。
腕が長くて、袖口から手首が丸見え。なんて事もありますからね。
普段着のお着物なら良いのですが、フォーマルのお着物ですとやはりおかしいのでお直しをおすすめします。
【裄を出す作業】
※お直しが可能な場合です
お客様の裄の長さを測ります
↓
希望の寸法を書いて、当店の加工部へ
↓
加工部から仕立て加工へ依頼
↓
外部作業ーーー袖付きの部分を解きます→寸法通り仕立て直し→筋消し☆筋消しが先になる こともあります
↓
店ーーー検針作業→納品準備
↓
納品
筋消しとは、縫い目の内側に入っていた生地と、表に出ていた生地との境目に出来た筋を平らにする作業です。和裁師さんが縫う際にやる作業なのですが、消えない残る跡の場合は悉皆屋さんにお願いすることがあります。あと、あまりにも色が違って目立つ場合は、色かけといって、濃淡の色を馴染ませる作業も追加されます。
簡単に流れを書いてみましたが、この作業で約3週間ほどお時間を頂戴しています。
もちろん、目安ですので、もっと短時間でお渡し出来ることもありますし、もう少しお時間がかかる場合もあります。
その都度、納期のお時間は確認してお約束させて頂きます。
もし、お急ぎの場合は、着用の日程をお知らせください。
そして、料金ですが、裄直しですと、約7000~10000円。
料金が異なるのは、着物が単衣なのか袷なのか?直す箇所が袖側なのか、肩側なのか?それとも2か所とも直すのか?と、直す方法が場合によって異なるからです。
ここで、忘れてはいけないのが、着物の裄を直した場合、長襦袢の裄も直さなければいけないという事!!長襦袢の裄も着物に揃えてあげる必要があります。ですので、追加で約6000~8000円かかります。
このように、お直しは時間も料金もかかって参ります。
どの様なお直しにしても、お時間は約1ヶ月~3か月、料金も1つのお直しで約10000~30000円ほど掛かります。
【メンテナンス】
メンテナンスも汚れ具合によって作業が変わります。
- カビがある、カビのにおいがする→カビとりクリーニング
- シミがある→しみ抜き
- シワがある→プレス
- しばらく着ていない→丸洗い(ドライクリーニング)
- 衿が汚れている→衿拭き
大幅にサイズを変更する時や、汚れ具合がひどい時は、洗い張りと言って一度、着物を解いて、反物の形に直し水洗いをして綺麗にし、寸法を替えて仕立て直ししていく方法を取ります。洗い張りは着物の種類にも寄りますが、約10000~25000円くらい。そこに、仕立て代がプラスされます。
どのようなお着物でも、状態を良く確認させて頂き、相談の上で作業を進めてまいります。
作業内容により納期のお時間が変わるのですが、大体約1~2ヶ月が目安です。
料金も軽い衿拭きなどでしたら約2000円くらいですが、大きなシミが何箇所も。となってくると何万円もかかってきます。
メンテナンスやお直しは、一度お見積りをだすことも可能ですので、ご相談下さいね。
料金や納期を確認してから、あらためて加工を承ることも可能です。
相談だけでも、もちろん大丈夫ですよ。
まとめ
このように、お着物のお直しやお手入れ、お仕立てには時間がかかる事がおわかり頂けたでしょうか。
まめにお着物を着てらっしゃる方は別として、滅多に着ることも無く、初めてもらった着物を開いて見る。と言った方も少なくありません。
保存方法によっては、一度も袖を通していないのにカビが生えてきてしまった。ということもあります。大切にしまわれている方に多いです。
着るご予定がある方はもちろんですが、まだ着る予定のない方も、
ぜひ、お天気の良い日に、箪笥をあけてお着物の確認をしてみてください。
良くお客様にお伝えする事があるのですが・・・
『お着物にとって、着てあげることが一番のメンテナンスです。』
しまっておいたらもったいない。ぜひ、機会をつくって沢山ご着用なさって下さいね。
KIMONOしゃなり 寺﨑
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