無視できない・長襦袢の寸法
こんにちは!
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。
春です。
ワクワク目覚めるのは虫のみにあらず。
「着物、着たいな、、!」
晴れの場で着る着物は格別です。
この時期、フォーマル着物が活躍します。
そこで顔を出してくる問題。
目次
長襦袢の寸法について
長襦袢なしで、着物を着ることはありません。
どうしても着物に注目がいきますが、長襦袢の存在は重要です。
どんな着物も、長襦袢がなくてはその魅力を活かせないからです。
長襦袢の寸法が合わないと起こること。
それは着崩れ!
例え着物の寸法が合っていても✖️。
そもそも、きれいな着付けができません。
- 着物の襟が深く開いてしまう
- 衣紋(えもん)がつまり、「学ラン状態」に
これらは長襦袢が小さいと起こります。
また袖(そで)が長いと、着物から長襦袢が出てしまいます。
長襦袢の寸法が合わない場合
具体的な対処法、応急処置の紹介です。
入卒はじめ、フォーマル行事を控えた方は必見。
その他、着物を着る全ての方へ。
ぜひご活用ください。
それでは早速まいりましょう!
- 身幅が足りない
- 裄(ゆき)が合わない
- 丈の長さ
- 色も無視できない
1.身幅が足りない
上半身が豊かな方は、この悩みが多いです。
美しい着姿=襟合わせ
こう言っても過言ではありません。
身幅が足りないと、襟がしっかり重なりません。
強引な襟合わせをすると、深いVの字状に。
動くたび、首と襟の隙間が広がり着崩れをします。
衣紋(えもん)もどんどん詰まります。
フォーマル度が高いほど、衣紋をしっかり抜く着物。
長襦袢の寸法による着崩れは、直すことが出来ません!
焦るし、気になるし、もう記念撮影どころではなくなってしまう。
対処法
!長襦袢の脇(わき)をさく!
脇縫いの糸を解きます。
脇下から、縫い目にそってさいていきます。
「こ、こわいよ、、!」
最初これを聞いた時、心底震えました。
でも胸の豊かな方に聞いたら、普通に実践しているとのこと!
和裁師さんにも聞き、とても有効だと知り驚きました。
襟合わせがしっかり決まり、オススメの方法だそうです。
衣紋も抜けるし、学ランにならない。
長襦袢の下の生地が「のれん」状になっても気にしない。(笑)
美しい着姿にはかえられません。
洗える素材の場合、そのままの状態で「洗濯も可」とのことでした。
※どうしても「のれん」が気になる場合は?
裾(すそ)まで全部縫い目をときます。
生地の間に、足し布をすればOK。
カスタマイズ長襦袢の完成!
対処法 2
借りもの長襦袢の場合、勝手に手を加えるわけにはいきません。
その場合は〈2部式長襦袢〉の購入をオススメします。
ネットでも簡単に見つかります。^_^。
名前の通り、上下セパレートの長襦袢。
上半身の豊かな方も、襟がしっかり重なります。
しゃなりのオンラインショップ『キモノしゃなりすと(楽天市場店)』でもお取扱いしております。
《キモノしゃなりすと 二部式襦袢商品ページはこちら》
美容襟は?
襟のみ・便利グッズです。
袖(そで)部分がないため、着物にはオススメはしません。
- 肌が直接着物の生地に触れるため、汚れや汗が心配。
- 「袖なし」はふとした瞬間に目立つ。
この2つが主な理由です。
※これからの季節、浴衣に美容襟を合わせるのも◎。襟があると、着物風の着こなしが楽しめます。
上半身が豊かな方のポイント
襟元がきれいだと、スッキリした印象に。
着物ブラで胸を抑えると、よりきれいな仕上がりに。
洋装時→メリハリのある胸元が素敵ですが、、。
着物でこれをすると、太って見えます。
特に、胸の高さが出るワイヤー入りのブラジャーはNG。
ご注意ください。
2.裄(ゆき)が合わない
袖(そで)から長襦袢が出てしまう。
小柄な方は、長襦袢の袖が長い場合が。
これ結構目立ちますね。
私自身にも経験があります。
着物から出た長襦袢が気になって、何度も着物の袖を引っ張ってしまう。
見かねた先輩が、応急処置をしてくれました。
応急処置
長襦袢の余分な生地をつまみ、安全ピンでとめる。
これだけです。
ポイントは誰かにやってもらうこと!
自分だと、正しい位置にピンを刺すのが難しいです。
対処法
長襦袢を肩上げする。
子供の着物で見ますね、「肩上げ」。
肩山で、生地の余分を縫い調整します。
調整の仕方
着物を平らな場所に広げる
↓
着物の上に長襦袢を重ねる
↓
背縫い(背中心の縫い目)を合わせる
↓
裄(ゆき)の確認
着物より長襦袢を短く
2分(約8ミリ)が目安です。
↓
肩部分を縫う(外からは見えないので、とにかく縫ってあればOK!)
※ビフォーアフターはこんな感じ。
背が高い、腕が長い場合
先程と逆のパターンです。
振りから長襦袢が見え、気になります。
和裁師さんにも確認しましたが、これはもう「どうしようもない。」とのこと。
強いて言えば
出てる部分を内側に折り返し、縫う。
※これは実際やったことがないので、どんな感じかわかりません。
あまり見たことのない事例でもあります。
3.丈の長さ
丈が長い→着付けで短くすることが可能です。
ひもや、伊達締め(だてじめ)にはさむだけ。
くるぶしより長いと、着物の裾(すそ)から出てしまいます。
丈が短い→外からは見えないので、気にならなければOK。
とは言えあまりに短い場合は、ペチコートなどでカバーするのがオススメです。
特に屋外は、不意の春風で着物がめくれてしまうことも。
生足があらわになり、あわててしまいます。
縫う調整の仕方
丈(たけ)の確認
↓
着物より長襦袢の丈を短く
1寸(約4センチ)が目安。
丈は「着物から出なきゃ良い」くらいに考えていればOKです。
裾ではなく、ウエスト辺りを縫います。
襟先(えりさき)から下を目安に。
裄(ゆき)同様、縫ってあれば問題なし!
※着やすさ重視でお気軽に。
4.色も無視できない
上品な訪問着から、ちらりと見えた時の衝撃よ、、。
!長襦袢の昭和ピンク!
お下がりや、古着屋さん購入の長襦袢には多いです。
「いちごジャムか!」
みたいなピンクが、昭和時代の定番です。(笑)
モスリン(ウール素材)の長襦袢もしかり。
カラフルゼリーのような色味。
楽しそうではありますが、フォーマルにはオススメしません。
洋装に例えると分かりやすい!
- スーツジャケットから、色Tシャツがチラ見えしている。
- スラックスからのぞく、靴下のピンク!
これ、結構目立ちます。
特に「バイバイ」した時。
片手で袖口を押さえても、いや〜、なかなか。
昭和ピンクの威力はすごい。
これを逆手にとり「見せ襦袢」も存在します。
フォーマル以外の、オシャレ着物で楽しみます。
色柄にパンチのある長襦袢を合わせ、着こなしのポイントに。
「では、フォーマル着物に合う色は?」
- 白→訪問着〜黒留袖、喪服まで全てのフォーマルに
- 淡色→訪問着や色無地のセミ〜フォーマルに
既製品を購入する時の注意点
正絹(しょうけん)の着物→着る人に合わせ、細かい寸法で縫われています。
対し、既製品の長襦袢は定寸法。
そこにズレがある場合も。
いざ着てみて、「寸法が合わない!」と困らないように!
事前の確認が必須です。
長襦袢は着付けの基本です。
この春は長襦袢を整え、美しい着姿を手に入れてくださいね!
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