大島紬ってどんな着物?
こんにちは!
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。
大島紬(おおしまつむぎ)
着物に興味があれば、一度は聞いたことがあるはずです。
「何か、有名な着物なんだな。」
ということは分かっても、詳しくは知らない。
栃木県にお住まいの方なら
「結城紬(ゆうきつむぎ)と、どう違うの?」
という疑問があるかも知れません。
今回はざっくりと大島を解説します。
- 産地
- 生地感
- 色味
- 柄
- 締機(しめばた)の技法
- 世界三大織物
1 産地
鹿児島県、奄美大島(あまみおおしま)地方の紬です。
その他、鹿児島市や宮崎県を中心に生産されます。
南の生地ということで、薄く、軽やか。
反物でも着物でも、手に取ってみると「あっ」と思うほど軽い。
土地の個性を活かした大島紬は、まさにそれを代表します。
2 生地感
紬と言うと、生地に凹凸のフシが特徴です。
でも大島紬は、つるっとなめらか。
正絹(しょうけん)であることが大島紬の条件です。
その光沢は大変に美しい。
薄く、ハリのある生地は、手によくなじみます。
そしてとても着やすい!
真っ直ぐに落ちる生地感が、着姿をよりシャープなラインに。
シワにもなりにくく、
良いことばかりで嬉しい限り。^_^。
何度か生地を見ていると
「あ、大島だな。」
と分かるような個性があります。
3 色味
他にはない、温かみのある茶〜黒色。
代表的な色味です。
大島好きならたまりません。
奄美(あまみ)の植物と、土地の泥でしか出せない色。
※車輪梅(しゃりんばい)という、奄美エリアに自生する植物を用います。
車輪梅(しゃりんばい)のタンニン
+
泥の鉄分
この化学反応により、大島たる色味が生まれます。
その他、豊かなバリエーション
白大島(しろおおしま)、藍大島(あいおおしま)なども人気。
それぞれがそこでしか作れない、大変希少なものです。
4 柄
とにかく細かい!
伝統的で代表的な『龍郷柄(たつごうがら)』
「見たことある!」と言う方も多いはず。
奄美の植物、蘇鉄(そてつ)がモチーフ。
龍郷(たつごう)地域で作られたから。
そのままですね。(笑)
女性用の柄として使われます。
秋名バラ柄
秋名バラ(あきなばら)も有名。
竹カゴがモチーフという柄。
よく見ると、確かにカゴの表面。
それと知らずに見ると、とてもモダンで都会的。
とても面白いです!
それぞれの柄に共通することは
「とにかく緻密!」ということ。
ルーペでのぞきたくなるような精密さです。
曲線もありますが、全体的に幾何学模様を連想します。
伝統ある背景とは裏腹に、近代デザインぽくて可愛い。^_^。
5 締機(しめばた)の技法
糸の段階で染める技法。
大島紬=糸作り
こう言っても、過言ではありません。
!糸自体が設計図!
糸の時点で、これからどんな柄になるか決まっています。
糸の一部を括り(くくり)、染料が染みないように。
数え切れない括りは、当然ながら人の手によるもの。
糸を括る場所により、図案が決まります。
一本一本に組み込まれた模様は、その時点では見えません。
織り進むうち、徐々に浮かび上がる壮大な模様。
「考えただけで気が遠くなり、貧血になりそう、、!」
これらは大島紬の工程中、ほんの一部です。
数え切れない工程、手間ひまをへてやっと大島紬になれるのです。
「これを小宇宙と呼ばずに何と呼べば良いのだ!!!」
6 世界三大織物
- フランスのゴブラン織り
- イランのペルシャ絨毯(じゅうたん)
に並び
大島紬が数えられるのも納得です。
30以上の工程。
生地だけでも半年から一年もの月日を要します。
丈夫で、親子三代に渡って着られるという品質。
大島紬は日本の誇りで
であり、同時に財産です。
大島紬に合うコーデ
まず大島紬の立ち位置です。
大島紬=デニム⁈
紬は「シャレもの」と呼ばれ、人気のオシャレ着物です。
洋服に例えるとデニムと言った感じでしょうか?
ファッションの世界でも、オシャレ番長はデニムを愛します。
カッコ良くデニムをこなせたら、その人は「オシャレ」の称号を得られるというもの。
高級デニムが、あり得ないほど高価だったり。
時と共に変化する風合いを楽しんだり、、。
大島紬との共通点。
両者、すっきりシンプルな装いが似合います。
足しても引いても、どちらも◎!
着た人らしさを引き立てます。
大島紬に似合う帯
「デニム」に等しい。
ということで、名古屋帯や半幅帯などのシャレ帯がオススメ。
中でも鉄板は
!大島紬✖️博多帯!
どちらも織り同士。
相性悪いわけがない(笑)!
もう例えなら
「デニム✖️白シャツ」
くらいの王道コーデです。
一度はやりたい「鉄板コンビ」
加えて、帯揚げ・帯締めの色でも光る個性!
変わるイメージ、季節感。
「いや〜たまりません。」
「楽しさがあふれて止まらない!」
小物を替えるだけで、様々な表情が楽しめます。
大島を存分に楽しむコツは、シンプルに品良く。
行く先々で、着物談議が咲くでしょう。^_^。
「自分だけの個性を出したい!」
「甘ったるく大島を
「大人っぽい着姿が好き。」
こんな方には、大島紬のすっきり感を存分に活かして、
全体の色味を合わせると、引き締まった印象に。
すらりと背が高く見えるコーディネートでオススメです。
ハンサムな印象の大島紬も、染めの帯を合わせ可愛いらしく。
半襟をレースや暖色系にすると、顔まわりが優しい印象に。^_^。
女性らしい着姿が叶います。
憧れ・大島紬
日本には紬の産地が多くあります。
それぞれの地域性、個性があり魅力に富んでいます。
「着物好きは紬好き」
こんな風に言われるほどです。
ことに大島紬の人気は不動で、
「いつかは、一度は袖を通してみたいもの」
として認知されています。
確かに大島紬は高価です。
手にしたからと言って、フォーマルの場面では着られません。
ひたすら自分のため、最高の贅沢です。
だからこそ、私達は大島に惹かれるのです。
大島紬を手にとったことがありますか?
ゆびをすべらす度、「シュッ」「キュッ」と鳴くのです。
折り目も正しく、「ピタッ」とまとまるおはしょり。
たまりませんよ、本当に。
お下がりの大島がある!という場合。
八掛(はっかけ)の色で、どうしても時代を感じてしまうことが多いです。
特に朱色や、赤などは昭和時代に作られたものです。
八掛(はっかけ)を交換して、令和仕立てにすると◎。
チラッと見えるだけと思われがちな八掛ですが、意外と目立ちます。
それだけで印象が、ガラリと変わります。
大島紬を現代に活かす対策として、まず袖を通してあげること。
しまったままより、余程良い。
眠った大島紬があったなら、是非着てあげてください。
!大島紬 バンザイ!
————————————————–
着付け教室のお申し込みはこちらから
きもの屋さんのプロが教えるカジュアルな着付け教室
着付け教室お申込みフォーム
着付け教室無料体験レッスンのお申込みはこちらから
無料体験お申込みフォーム
(24時間ご予約いただけます)
ご来店予約、お問い合わせはこちらから
お問い合わせフォーム
ご来店予約、お問合せはLINEからも承ります。
「KIMONOしゃなり公式アカウント」お友だち登録はコチラから
お電話でのお問い合わせはこちらから
0120-352983
(営業時間10:00~18:30 / 水・木曜定休)
————————————————–
着物のある豊かな生活をしゃなりから
お客様の人生をより豊かに、
生活に寄り添う着物を提案いたします。
株式会社福田屋呉服店グループ
Kimonoしゃなり
栃木県宇都宮市大通り1-1-19
TEL:028-622-4329
スタジオかれん 宇都宮大通り店
栃木県宇都宮市大通り1-1-3
TEL:028-623-0753
スタジオかれん 那須塩原乃木参道店
栃木県那須塩原市新南163-580
TEL:0287-39-0753
COCON NIKKO 日光着物レンタル
栃木県日光市石屋町425
TEL:0288-25-6625