振袖の袖を切ったら訪問着になる?
当店では、お振袖ご購入のお客様へのアフターサービスで『袖つめ』というものがございます。
これは、二十歳の成人式に着た振袖の袖を切るサービスです。
では、なぜ袖を切るのでしょうか?
袖を切った着物は、いつ着るの?
そんな疑問にお答えしていきます。
なぜ、振袖の袖を着るのか?
袖を切る
◯袖を切ることで、着物の種類が【振袖】から【訪問着】に変わります。
※無地の振袖の場合は、【色無地】に変わります。
そもそも、振袖は、未婚女性の第一礼装。
長い袖の振袖は、結婚すると着ることができないんです。
ですので、結婚を期に袖つめされて訪問着としてお持ちになられる方が多いんです。
訪問着とは?
訪問着とは、年齢、未婚・既婚問わずに着ることのできる準礼装の着物です。
柄が前から後ろに途切れずに描かれているのが特徴で、この柄の入り方を「絵羽柄」えばがらと言います。胸、袖にも柄が入ります。
柄のボリュームや紋の有無によって、格が変わり、幅広い場面で着て頂くことのできるお着物です。
- 結婚式
- お宮参り
- 七五三
- 入学式 卒業式
- 観劇
- お茶会
いくつか着ることのできるシーンをあげてみましたが、他にもありますよね。
袖をどのくらい切るのか?
訪問着の袖の長さは何センチと決まっているわけではありません。
袖を切ると、 こんな感じの訪問着になります。
着物は、和裁の物差し、【鯨尺】(くじらしゃく)【鯨差し】(くじらさし)ともいうそうで、約38センチを一尺として、長さを測るのですが、大体、袖丈の短いお着物ですと、一尺三寸(約49センチ)で作るのが一般的です。
以前は、お若い方や身長の高い方などは、一尺四寸〜一尺五寸くらいで少し袖丈も長めに作ったそうなのですが、今では長襦袢をどの着物にも合わせられるように、あまり袖丈を変えずに誂えることをおすすめしています。
振袖の袖を切るときの長さなのですが、基本は一尺三寸で柄の出方を確認し、問題がなければその長さで承ります。ですが、せっかくの華やかな柄がパツンと切れてしまう時などは、見た目にもよくないので、少し柄に合わせて袖丈を長めにとっていきます。
このとき、柄は両袖、前後にあるので確認が必要です。
柄のお花を残したい場合。 少し袖も長め。白い花を残すと、袖丈は、一尺六寸になります。
袖の切り方
当店で無料のサービスでできる袖つめは、ただ袖を切り、底を縫い袖を作るだけになりますが、もう一つ方法があり、有料になるのですが【おくり袖】というつめ方があります。
振袖には、肩の方に柄がなく袖下だけに柄があるものもあり、袖を切ってしまうと袖に柄が全くなくなってしまうものもあるので、肩のところで袖を一旦外し、袖下の柄をぐるりと回して上に持ってくる方法です。
ただ、この方法をとる場合は肩から袖に柄が連なっていないこと。袖の後ろの柄がない、あっても逆さにならない柄つけであることが条件です。
どの振袖でも切れるの?
切れる振袖・切れない振袖
昨今の振袖は、柄がたっぷり入っているものが多く、大変華やかな振袖が多いので、正直、袖を切って訪問着として着るのに、おすすめしにくい物が多いです。
当店でも、実際に袖つめ加工をご希望で来店されるお客様がいらしゃいますが、やはりどなた様も立派な振袖をお持ちで、色々お話をされているうちに、やはり切ることをやめて、振袖のまま保管されると持ち帰えられる方が多いんです。
では、袖を切って訪問着として着ることのできる振袖とは、どういったものなのでしょうか?
- 柄が控えめ(無地もOK)
- 地色が上品な色目(真っ赤・濃いピンクなどは向きません)
- 柄が可愛いよりは、綺麗めなもの
- 八掛の色が控えめ※八掛(はっかけ)とは、裾の裏地、裾回しとも言います。
そして、振袖の袖を切った時に長襦袢の袖も合わせて同じ袖の長さに切り仕立てていくので、振袖と一緒に持って行くのを忘れないようにしましょう。
袖を切った着物に合わせる小物
袖を切った振袖は、切ったことで着物の種類が変わります。
黒留袖・色留袖・訪問着・色無地など
そうなると、気をつけないといけないのが、帯や小物です。
帯も振袖には、煌びやかな物を合わせていることが多く、袖の短い着物にそのまま合わせてしまうと、おそらく浮くことが多いと思います。
というのは、振袖は、ご自身が主役で着る着物なので、どんなに豪華でも良いのですが、短い袖の着物は、どちらかというと誰かの為に着る着物、つまり脇役の立場で着るシーンが多い着物だからです。ですので、帯も少し控えめで合わせてあげることによって、全体的に落ち着きのある感じにまとまります。
小物も同じように、振袖用はおすすめしません。
重ね衿・帯締め・帯揚げ・草履など、短い袖の着物用のものに変えましょう。
それと、長襦袢の半衿も!
振袖の時は、刺繍の豪華な半衿を合わせていることが多いと思います。
訪問着や留袖などは、白の無地の半衿がおすすめです。半衿の交換もお忘れなく。
以前は、将来、袖を切ることを見越して作られた振袖などもご案内しておりました。
袖を切れば、黒留袖になる。あるいは、色留袖になるなど。紋が入った振袖もありました。
ただ、振袖の色や柄も、洋服ほどではないですが、多少その時代の流行があり、今のように全体に柄が入るような華やかな振袖は少なく、すっきりとした柄行きで、色もこっくりとした振袖が一昔前は、多かったので、袖を切っても違和感なく、短い袖の着物として着ることができたのでしょうね。
袖の切れない振袖は、どう生かす?
方法は、2つ!!
①しっかりメンテナンスをして、次の代に引き継ぐ
お着物は、振袖に限らず、しっかりとお手入れをして保管をしておけば、ご自身の娘さん、またさらにお孫さんへと引き継ぐことができます。
こちらは、お得意様の実際の振袖なのですが、実に約100年もむかしのお着物だそうです。大変立派な振袖でした。蔵にしまっているそうですが、保存状態がよく色褪せない今でも袖を通すことのできる振袖です。私も拝見することができ大変感激いたしました。このように、着物は、大切にとっておけば、何年も先まで着ることのできるものなのです。
②花嫁衣装として着る
振袖をそのまま着ても良いのですが、裾にふきわたを入れて、打掛のように仕立て直すこともできます。
思い入れのある着物を着て、結婚式ができたら、それも素敵ですよね♪
まとめ
お手持ちの振袖をどう生かすか?
◯振袖の袖を切って、訪問着として着る。(柄によって着物の種類が変わります)
ただし、どんな振袖でも袖を切って着ることができるわけでもなくて、その振袖の色柄などによって判断することが大事。
ぜひ、自分では判断するのが難しいと言った時は、いつでもご相談くださいね。
KIMONOしゃなり寺﨑
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