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腰紐いろは

突然ですが、皆さんは普段どんな腰紐をお使いですか?

先日の着付け教室で、腰紐が食い込み痛いという方がいたんです。その方のお使いになっている紐をみるとクルクルと丸まったポリエステル素材の腰紐だったので、モスリンの腰紐を新調頂きました。すると、痛みもなくシワも綺麗にとれたと喜んで頂けました。

ご自宅にあった小物を使って頂くのは全然いいのですが、意外と着付け道具を見直してみるといつもより着付けも上手にできたり、何より着ているご本人様が楽だったりもするので、ぜひ着物を着る方には知っていてほしいです。

そんな訳で、今日は“腰紐”について書いてみます。

腰紐(こしひも)とは…?

腰紐とは、着物を着るときに使う小物で細長い紐のことをいいます。着物が落ちないように、ウエスト部分に結びます。同じく胸元の襟がはだけないようにも結んで使います。同じ紐を使うのですが、その時は“胸紐”と呼び名が変わります。

腰紐の種類と特徴

  • モスリン(毛、木綿)
    滑りにくく、丈夫でシワになりにくいので、一般的によく使われています。ただ、毛なので虫に食われてしまうことも。保管する際、注意が必要です。
     
  • 正絹
    柔らかく、正絹のお着物には馴染みがよく、使いやすい素材です。しかし、どうしても価格が高いのと、お手入れが大変というのがデメリットかもしれません。
     
  • ナイロンやポリエステル
    一番安値で売られているものです。品物によっては、しっかり締まらず、滑るものもあります。腰紐としては、おすすめしませんが、私は仮紐で使っています。仮紐でしたら、最後に抜いて外す際、帯や着物を傷めずに済んでおすすめです。
     
  • ゴムベルト
    長さの調節をしてしまえば、脱着も簡単で、伸びるので体にあまり負担がなく楽かもしれません。ただ、ゴムには耐久性に限界があるので、伸びてしまうと着崩れしてしまう可能性があり             ます。体格によっては長さが足りない人もいます。

このように、腰紐にも種類が沢山あり、それぞれメリット、デメリットがあります。理解した上で使い分けられるといいですね!

私は、モスリンの腰紐を普段使っています。やはり扱いやすい、手入れしやすいという点で多くの着付師さんが愛用していると思います。

そこで、次は実際に結び方(使い方)、手入れの仕方をご紹介します。

腰紐の結び方

腰紐は、面を使って結びます。“腰紐”だけは、着崩れを防ぐ為にも、ギュッとしっかり結ばなければなりません。面でおさえるイメージで、しっかり結べれば、息苦しさも感じず、心地よく着れると思います。

片結び

交差させる

もちろん蝶々結びでも大丈夫です。

お手入れ方法

腰紐は、着物を脱いで解いたあと、やはり熱気や湿気をとるため、約一日ほど陰干しをしてからしまいます。汗を沢山かいてしまって、汚れが気になる方は、素材にもよりますが、お洗濯も可能です。※正絹は縮んでしまうのでNGです。

洗う際には、ネットに入れて、おしゃれ着用洗剤で洗って下さい。干す時に、シワをのばして干しておくとアイロンをかけなくても済むので、楽ですよ。

そして、乾いたら畳んでしまっておきます。

みなさん、クルクル丸めてしまっていませんか?
シワにならないように、畳んでおく事がとても重要!!
子供の頃、学校で使ったハチマキを五角形に畳んだりしませんでしたか?
腰紐も同じように畳んでおくと、着付のとき楽ですよ。

最後に

私が一番最初に通った着付教室で揃えた道具には、腰紐などありませんでした。腰紐の代わりに使っていたのはゴムベルト。ゴムベルトは、伸び縮みしますからね、程良い締め付け具合で窮屈さがなく、着崩れの心配もない。そう言う点では、よかったです。

ただ、こちらの店で勤めるようになり、腰紐の使い方がわからない…困りました。持ち方、締め方、畳み方、扱いに苦労したのを覚えています。

たかが腰紐と思うかもしれませんが、着付においては、侮れない道具の一つです!!結び方、力加減でかなり着付の出来が変わってきます。私も着付の勉強を重ね、今ではすっかり紐に慣れ、ゴムベルトはいっさい使っていません。

着付の技術はもちろんですが…道具を見直したら、なんだかとっても着付がし易くなった…なんて事もあるので、お手持ちの道具をしっかり見直してみるのもいいとおもいます。
まずは“腰紐”から…自分が使いやすいものを揃えてみて下さい。

KIMONOしゃなり 寺﨑

しゃなりの楽天市場店「キモノしゃなりすと」でも腰紐をお取り扱いしております。
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