補正なんて!
こんにちは!
宇都宮に明治元年から続く呉服店、kimonoしゃなりの渡辺です。
補正なんてないさ ♪
補正なんてうそさ ♫
補正なんて!
この言葉の後に何が続くかは、人によって違うのではないでしょうか?
着物は一枚の布を平面に仕立てます。
それを立体の人体に着付けるので、シワがよるのは自然です。
巷では
「補正が決まれば全てが決まる」
まるで
「出汁で料理の味は決まる。」
と勢いのあるご意見もあれば、、。
はたまた石田節子さんのように、
「補正も無し」
「なんなら帯枕も無し」
という方もいらっしゃいます。
石田さんは講演会でお話を伺ったことがあります。
小柄で軽やかな口調。
会場では実際に着物を脱いで見せてくれ
「ね、ほら。
補正してないでしょ?」
「これで良いのよ、昔なんて補正自体が無かったわけだから。」
うーん。
どちらにも激しく同意する自分がいます。
ということで急遽、座談会を行うことにしました。
形式上、一方的にはなりますが着物に興味を持つ同士(⁉︎)
思いの丈を持ち寄り、互いの血肉にするのが目的です。
「そうだそうだ!」
というご意見。
また
「ちょっと待てよ⁉︎」
とのご意見もあるかも知れません。
いずれにせよ自由に、思ったままを語ります。
参加される皆さんも、感じたままのご意見をどうぞ!
※自装(じそう)多装(たそう)問わずです。
そもそも補正、必要だと思いますか?
うーん。
のっけからこのお題。
とりあえず周囲の10人程に聞いてみました。
殆どが着付けに心得のある面々です。
聞いてみたところ、結果全員が
「補正必要!」とのこと。
「何故必要か?」
との問いに複数の具体的な意見が飛び交いました。
そのご紹介です。
- 体格や着物により変化する補正
- フォーマルには絶対必要
- 着崩れを防ぐ
〈その他補正をする〉
メリット
- 補正が汗を吸い、帯や着物が傷むのを防ぐ
- 腰紐が食い込みにくい
- 帯が骨に当たらない
- 暖かい
デメリット
- 暑い
- 面倒臭い
- 補正箇所を間違えると太って見える
ざっくりとこれらの意見が出ました。
皆さんはいかがですか?
普段の補正、どうされてますか?
1.体格や着物によって変わる
☆「太ってる人程、補正は必要よ!」
「え?何故ですか?」
「太っている方が、補正が無くていいイメージがあるでしょ?」
※理由はこちら
肉のある箇所と、そうでない箇所に凹凸ができる。
これが着物を着る上で邪魔になるとの意見です。
窪んだ部分を埋めるように、補正をするとのこと。
補正の箇所は個人で細かく異なります。
それをしないと、
身体の窪みから帯のタレが「ピョコン」と突き出した形になることもしばしば。
☆「痩せていても、ウエストには補正が必須。」
これは着付け講師の意見。
体型に関わらず、ウエスト部は細いのが人体の特徴です。
そこに帯が巻かれると、シワが入り格好悪い。
「シワによって帯の柄が良く見えない。」
との意見も。
確かに。
そのために「帯板」という道具まで存在するわけだから。
なるほど、納得。
どんどん出ますね〜。
良いですね。
☆「柔らかものには補正が必要かな?」
「逆に紬(つむぎ)だったらそれ程要らないかもね。」
着物の種類について。
和裁師の意見です。
※柔らかもの→「先染め」の着物。
「たれもの」とも言います。
・しなやか
・つるつる
・艶がある
これらの特徴からシワが目立ちやすくなります。
2.フォーマルには必要⁉︎
フォーマルでの装いは自分が主役ではありません。
万人受けは必要ないにしろ「ある程度」人様の目を配慮する必要があります。
訪問着をはじめ、色無地に至るまでフォーマルの場では「柔らかもの」が主流。
着物姿は良くも悪くも目立ちます。
少し前、海外を訪問した要人の写真を見る機会がありました。
その中には着物姿の女性の姿も。
公式な場で着物を着る日本人は多く、とても素敵だったのですが、、。
一部、シワがとても目立つ所がありました。
思わず
「なぁに⁉︎これ!」
「何とかならなかったの? どうしたこれ!」
と、周囲を集めて大声を出す私がおりました。
日本人として最高の着姿を、海外の方に見て欲しい!
という気持ち半分。
もう半分は、女性として綺麗な方だったゆえ、残念な気持ちになったのです。
これは極端な例ですが、なんだかんだ人は見てるんだなぁと、自身の体験を通し改めて感じました。
私自身、普段は人様の装いをとやかく言うのは無粋と考えます。
よその人が他人の着物姿に「あーだこーだ」言うのを見て
「そんなめくじら立てなくても、、。」
と思ってたはずなのにどうです⁉︎
困ったものですね。
とは言え、フォーマルの場ではつい見ちゃいます☆
女性として、着付師としての正直な本音です。
補正がどうこうの前に、着付け全体、トータルでの印象が大切なんだと思います。
※具体的な意見をもうひとつ。
紋付き着物の場合。
補正無しだと両脇にシワがより、紋が見えないという問題が発生します。
(先程の和裁師の先生談)
特に黒留袖!
五つ紋の最礼装、うち2つが同時に隠れてしまう。
これは勿体ない!(笑)
ひとつの紋も残さずに活かし、写真撮影にも臨みたいところです。
3.着崩れを防ぐ
着物に洋服のような立体感はありません。
長い生地を紐数本で着付ける着物は、それだけで「世界遺産」に相応しいレベルの衣服です。
補正の場所は主に
・ウエスト
・お尻側
の2 箇所。
振袖や花嫁衣装の場合、鎖骨や上胸にも補正をします。
多装(たそう)は特にしっかりとした着付けが求められます。
それは、縦長のロールキャベツを作る感覚に等しい。
多装の着付けをする方なら、この感覚分かりますか?
補正で筒状を作れば、長襦袢が決まります。
長襦袢が決まれば、自ずと着物も決まります。
☆「補正無いと、帯が落ちますね。」
「後ろおはしょりの線も、きれいに真っ直ぐにならないです。」
これはスタジオかれん、着付けスタッフの意見。
(スタジオかれんはkimonoしゃなりの姉妹店です。)
筒状でないと、帯と着物の間に空間が生まれます。
時間が経つにつれてどうしても下がって来るとのこと。
補正が帯や紐のストッパーにもなり、着崩れを防ぐ役割もあるのですね。
日常的に着付けをしているスタッフの意見は、説得力がありました。
「太って見えるからなるべく補正入れないで欲しい。」
との要望もあるそうです。
軽めの小紋ならご要望にもお応えしますが、がっちりフォーマルの場合は
「補正は必要!」
とのこと。
始めに出た
〈太った人ほど補正が必要!〉
の意見も合わせると、
「補正無しの方が、かえって太って見えるのではないか?」
とも思います。
補正無しへの憧れ
紬(つむぎ)、木綿の着物など
「カジュアル着物で補正無しをしたらどうなるんだろう、、?」
逆に、こなれ感を出し自然な美を演出できる気がします。
皆も口々に言っていた。
「カジュアルなら補正無くても全然良いんじゃないか⁉︎」
ムクムクと、新たな疑問がわいてきます。
ワクワクは止まらず、
「グッときちゃう。」気持ちを抑えながらこの記事を書いています。
自然のシワが似合うのはやっぱり紬でしょうか?
この冬は、ゆるい着付けを楽しんでみようと思います。
ファッションでも
・オーバーサイズ
・ゆるい装い
が定番になって久しい ^_^。
やっちゃいますか?
行っちゃいましょう!
「あえてのゆる目なんです。」
石田さんのように自然体で言えるかな?
クリスマスパーティ、お正月、コンサート、寄席、、お正月もありますね。
どうしましょう!
皆さんは何を着る予定ですか?
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