振袖選び 柄行きについて
こんにちは、着物しゃなりのコーディネーターみなべです。
宇都宮駅西口から歩いても10分程で着くしゃなりは、レンガ調の外観です。ショウウィンドウには、いつも最新のお振袖をマネキンに着付けて展示中です。
通りながら、チラリとチェックしてみて下さいね。
しゃなりのお客様や、着物好きな方の為、着物を気軽に着てお出かけしやすいお洒落なスポットを探しています。
先日はお着付け教室の生徒様達や、お出かけ会でいずれ行ってみたいお洒落なホテルラウンジの偵察に行って来ました。ハイキング後のラフな格好でも、暖かくおもてなししてくださいました。私たちも最高のおもてなしでお客様をお迎え出来る様に、参考になり、気分もリフレッシュしました。
さて今日は、成人式をお迎えになるお嬢様や御家族様に大好評の、お振袖の柄行きについてお伝えいたします。柄には色々な素敵な意味のあるものなので、振袖選びの一番楽しい部分ではないかとも思われます。
成人式に着てみたいけど、どんな模様や柄がお振袖にはあるの?
一言に「振袖」と言っても、どの様な柄や色がいいのか「よく解らない」と難しく感じてしまう皆さまに向けて、先ずは簡単にどんな模様が、技法的な進歩によって出来たのか、簡単にまとめてみました。
20歳のお嬢さんの可愛い感じと、少しずつ大人っぽさの出てくる年齢には、どんなお振袖を着ようか、選ぶのも楽しみですね。
例えば、色をたくさん着物の生地に入れたい!という思いから生まれた防染技術は、色の染め分けを可能にしました。
代表的な名称に、本友禅染や型友禅染、絞りなどがあります。聞いた事あるかもしれないですね,とても豪華で、着る人を優雅な気持ちにさせてくれますよ。実際にお店で手に取って触ってみて頂きたいです。
それから昔のヒトは、やっぱりキラキラした物に憧れたのですね。金箔(キンパク)、銀箔(ギンパク)など、当時も高価な物を身につけたい、という女性の憧れは強いものだったのではないでしょうか。金は高いものですし、ヒラヒラしていてどうやったら布目にくっつけられるの?と、きっと当時の職人さんたちも頭を悩ませたに違いありません。金や銀は皇族しか身に着けられなかったと言われるのも納得できて、現代のお振袖には金彩が沢山用いられていることに、嬉しさを覚えます。
そして日本が世界に誇る刺繍の技術です。着物の展覧会などに行くと昔のお姫様の打掛などに、手でひとつひとつ丁寧に針を刺した見事な刺繍が、可愛いモチーフの花びらの形や、鳥などの形になっていて、うっとりしてしまいます。
これらを単独に使用するのはもちろん、いくつもの技術を複合的に併用する事で、一枚の着物にメッセージや躍動感を与えるのです。もはや着物、特に華やかなお振袖は美術品のような物ですね。
印刷技術が発達してくれたお陰で、生産のスピードもはやくなり、量もたくさん作れるようになったことは、嬉しい進歩です。
一昔前よりお着物も安くなったわよね、とご年配のお客様にご意見をいただくことも多くあり、やっぱり技術の進歩が後押しして価格にも、私達が求めやすいものへと変化はあらわれているのだな、と実感します。
これから出て来る単語は、成人式の振袖を選ぶときのキーワードのように考えていただくと、気楽に感じられるかも知れません。
友禅染
皆さんも、一度は何処かで耳にすることがあるでしょう、例えば多彩で華やかな「京友禅」とか、「加賀友禅」は、質の高いお着物の代名詞のように聞こえます。色とりどりの色彩豊かな友禅染は、エレガントな雰囲気です。
絞り染め
名前の通り、しぼって染める技術ですね。辞書でよく見かける説明は、「生地の一部を糸で括る、縫い締める、板で挟むなどの工程を施してから、染めたもの。又はその模様の事。」となっています。絞った部分が染め残って模様となり、立体感のある生地になるのが特徴です。
モコモコしていて肌触りも、どことなくあったかい感じがあります。
紅型 びんがた
沖縄の伝統的な染色技術だそうです。モチーフも多彩で華やかな物がおおく、型枠に生地を挟んで染めています。
温かみと、南国の異国情緒を感じるハッキリした色合いがお好きな個性派にオススメです。(このイメージ写真は、紅型風のお振袖です。色合いがハッキリしていて特徴がありますね。他の人とあまり被りたく無い方などにもオススメです。
振袖の模様(柄行がらゆき)について
振袖の地色と共に振袖に描かれたモチーフは、お振袖を選ぶ時に「こんなところに可愛いモチーフが有るから」と選ぶ決め手にもなるポイントですよね。
振袖は本来は全体的に渡って柄が続いて染められ、刺繍、箔などふんだんに使って華やかな物なのです。
でも最近の傾向では、模様の少ない、スッキリとした印象の振袖なども出ています。
因みに振袖の模様は一般的に言って、飽きの来ない古典模様や、縁起の良い吉祥紋様を使用した豪華な感じが、時代を問わず永く愛される紋様といえます。
現在では、花などの植物だけではなく、うさぎや鳥など動物もポイント柄のようにどこかに隠れて居たり、色使いもベージュや黒、落ち着いた赤などモダンな感覚の色合の模様のお振袖まで色々出て来ています。
では、ここからはもう振袖は選んだけど、模様にどんな意味があるのか知りたい、というお母様方のご要望にお答えして、代表的な模様と、その意味をいくつかご紹介致します。
吉祥紋様
キッショウ吉祥とは、良き兆し、めでたい印、の意味であり、それを表現した紋様を総称して名付けられました。
多くは中国大陸からの昔の思想や信仰に基づいたものです。
中には語呂合わせや、「八重に広がる」「末広がり」などの日本固有の縁起物もあるので、宝探しのように、実際お振袖選びの時にどこにどんな絵柄が入っているのか探すのも楽しいですね。
例えば、
松竹梅 しょうちくばい
古来中国では冬の寒い時期にも変わらぬ緑を保つ松と竹、そして花を咲かせる梅を連想させ、これが日本に伝来しお祝い事に用いられるようになりました。
青海波 せいがいは
同心円を互いちがいに重ねて波が平安ににどこまでも続く様子を現した文様です。
平穏な暮らしが静かな波の様にいつまでも続くと言う意味が込められているのです。現代っ子には、Wifiの電波が飛んでる様に見えるみたいです。
宝尽くし たからづくし
縁起の善いとされる宝物をいくつか散らした文様。
元は中国の吉祥思想のひとつである八宝からきており、描かれる宝は、経典巻物、打ち出の小槌や宝珠など、地域や時代によって異なってきます。
その他にも、色々あってどんな意味があるのかお店のスタッフに聞いてみるのも、お話が盛り上がって、楽しめますね。
幾何学文様
ひとつの文様を規則的に配して連続性を持たせたモチーフ。無機質な線や三角形、菱形、正方形、円などの連続模様が特徴です。
ツボとかカゴとか、分かりやすく生活に密着した物からのシンプルで端正な図柄が特徴となっています。
しゃなりのHPの別ページにも、詳しく載って居ますので、のぞいてみて下さいね。
麻の葉
正六角形を基本とした、直線模様。
最近ではアニメ「鬼滅の刃」で、ねずこが着ている着物の柄で、一躍人気の柄ですね。
麻の葉は、植物の生態も成長が早く、真っ直ぐに伸びることから、スクスク育つ様にと、願いが込められています。
石畳/市松
市松柄は、大正ロマンのレトロな雰囲気作りに良いアイテムなので、半襟などでお求めになるのも一案です。鬼滅の主人公の羽織もこの柄ですね。
鱗うろこ
正三角形や二等辺三角形を交互に並べた入れ替え文様。
蛇の鱗を連想させ、魔除けの力を持つと言われます。武将に好まれ、武具や戦陣の衣装に用いられたり、女性の身を守る厄除けとして、長襦袢柄に用いるなど好んで身につけられています。
植物文様
着物の柄ゆきの中でも、一番多い文様です。
日本には季節が4つあり、その季節を代表する様な植物がある事も日本人に好まれる要因かも知れません。
例えば桜は春の代名詞ですが、花びらの文様は1年通して着物の絵柄として身につける事ができます。椿、紫陽花、菊、紅葉などの草花を用いる事で季節の移ろいを表現したとも言えます。
その他振袖に多い絵柄をご紹介します。
橘 たちばな
日本に古来から自生するみかんの一種。
「古事記」にも見られ、長寿瑞祥の象徴として尊ばれています。実は子孫繁栄の象徴、葉は長寿を表すそうです。
桔梗ききょう
秋の七草の一つとして、古くから和歌や、絵画の題材として愛されてきました。
その独特な美しい色は、桔梗紫と呼ばれて涼しげな風情が好まれます。
桐きり
昔から桐の木には鳳凰が棲むとされ、古くは菊の文様と共に皇族だけに許された高貴な文様です。
桜楓文おうふうもん
春の桜と秋の楓を取り混ぜて季節を問わず色彩鮮やかな文様として好まれます。
桜も楓も女子に人気の文様ですよね。
動物文様
我が国は言わずと知れた農耕文化の国ですから、身近な動物も鹿や兎、飛ぶものだと、鳥や昆虫、魚介類そして空想上の生き物である龍や麒麟、鳳凰なども、ちょっとカッコいい文様ですね。
鶴亀つるかめ
長寿の象徴ですね。工芸品から婚礼衣装まで幅広く用いられます。また、尾っぽについた海藻が長く揺れて伸びた「蓑亀」の文様もあります。
ふくら雀
ふっくらとした雀の子は絵柄としても可愛いモチーフです。篤姫(江戸幕府第13代将軍徳川家定の御台所となった方)に特に愛されたモチーフとしても印象的な文様です。
冬の寒さを防ぐために羽毛を膨らませたスズメを文様化したものです。
ふくらんだ雀は「福良む」と当て字をして縁起物との解釈もあります。
兎うさぎ
うさぎが月で不老長寿の仙薬をついているという伝説から、中国では長寿の象徴として、日本では古来、縁結びの神の使いとして大切にされてきました。可愛い文様として現代でも人気です。
貝づくし
様々な貝を意匠化したもの。特に蛤は、対の殻以外には、ふたつと合うものが無いことから、夫婦の契りを象徴して、家庭円満、夫婦円満の願いを込めているそうです。
蝶、胡蝶ちょう
蝶は春の花と描かれる場合は春に着るのがおすすめですが、秋草と組み合わせたり、単独で文様として用いられる場合は季節を問わず、用いられます。中国では蝶は、故事から夢を連想されたりや、中国でディエと発音され、80歳を意味する言葉と同じ発音から、長寿を意味します。
日本では、平安中期には十二単の唐衣に用いられてもいるので、伝統的な中にも、着る女性の可愛いらしさも引き出せそうですね。
自然、風景文様
山や海、川などの自然の風景を描くだけでなく、霞や水など流動的な風景をも文様に取り込んだ物。大胆なデフォルメを加えて文様化した物。絵柄の中に別の文様を描いて、場面を区切り絵柄にストーリー性を持たせたりもします。
雲取り
雲がたなびいている様子を文様化。まるで、竹取物語のお姫様を迎えに来た天井人
の乗って来た雲を思い起こさせますね。ファンタジーな幻想的な雰囲気を着る人に与えてくれそうです。
雪輪ゆきわ
ゆきの結晶を美しい円で表したものです。中に文様を入れたり、雪輪取りといって、文様を区切る役割を果たすことも。季節は問いません。円形が円満な将来を暗示させてくれて、雪あかりの窓にも見えて、筆者も大好きなモチーフのひとつです。
器物紋様(きぶつもんよう)
扇や巻物、文箱、屏風、弓矢、笛、などの身の回りにある道具や生活用具を文様化したものです。
お嬢様が、吹奏楽部だった方が、偶然にも平安時代の楽器をモチーフにした楽器紋が入った振袖をお選びになった方がいらして、とても和やかな雰囲気でもり上がったこともあります。
貝桶かいおけ
貝合わせの貝を入れる貝桶は、中世では嫁入り道具のひとつ。江戸時代には夫婦が添い遂げる縁起物として広く愛される文様になったそうです。
お嬢様の着られる振袖に描いてあったら、まるで平安時代のお姫様の気分が味わえる文様ですね。
熨斗文(のしもん)
儀式に使用する捧げ物として鮑のにくを薄くそいで伸ばし、乾燥したものが由来だそうです。細長い帯状の紙を数本束ねた「束ね熨斗」が、動きのある絵柄なので、着る人をスリムにスラリと見せてくれますよ。
まとめ
生活に密接に根付いた文様を通して、「我が子の行く末が平安で、安泰でありますように」というご家族様の想いは時代も時も越える力を持ち、現代でもお振袖の図柄に取り込まれていることを知ると、とても嬉しい気持ちになりますね。
20歳まで無事にお育てになられたお母様、お父様のご苦労が、まさに報われるのが、成人式という晴れの舞台ではないでしょうか。
成人式に華やかな笑顔でお振袖を着るお嬢さま、ご準備も当日のお支度もご案内には、専任の担当がつくのは、着物しゃなりのこだわりのサービスです。
是非、お振袖のご試着に、着物しゃなりへお越しくださいませ。
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